利き酒と聞香

いつもご覧いただきありがとうございます。

日本のことをあらためていろいろと知り、学ばせていただきたいという一心で、時間をつくっては様々な勉強会やお稽古に通っていす。そのなかで、偶然にもこの週末は、日本酒の勉強会と香道のお稽古が立て続けにあり、その流れでふと気づいたことがありました。

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■そもそも・・・日本酒を学ぼうと思ったきっかけは、日本酒好きということもあるのですが、それ以上に興味があったのは、なぜ・・・神社や神棚に日本酒もお供えするのかという素朴な疑問がかねてからありました。

そんな折、前に宮司様にどうして日本酒をお供えするのですか?という憚らしい質問をした際、そのお答えになるほど!そういうことなんだ!!と納得し、それからは日本酒の見方もかわり、味わいもそうですが、その作る過程も含めてもっと知りたい!!そんな探求心がきっかけでした。 (ここでは、献上の理由は割愛させていただきます)

そんな想いで、日本酒を一から学ばせていただける勉強会に参加させていただいておりましたが、昨日は最終回ということで、「利き酒」をクラスみんなで挑戦しました。

利き酒マスターの養成コースも巷にはあるみたいですが、このクラスでは「日本酒」の製造方法や、歴史なども含めて・・・教えていただき、「利き酒」は一つの体験として・・と。無論、私自身は日本酒が好きですが、そこまでいろんな銘柄を呑んだり、呑み比べたりしたこともなく・・・この「利き酒」というのはまさに新しい体験でした。

今回は、5種類の日本酒の味比べ・・・。

クラスメートの方のほとんどの方も初めてだったみたいで・・・、「う~~ん、どれも同じ感じがしてしまい決められない!!」「これと同じのなんてあるの・・?」なんて声がちらつくほど。かくいう私も、無色透明で同じような香り・・・で一瞬違いがわからなくなってしまったのですが、目をつむり、香をかぎ、口のなかで広がる味わに全神経を集中すると・・・・5種類のお酒が描きだす世界がそれぞれに違うことにはたと気づき。

 

それぞれ感じえた香り、色、味わいを一つ一つメモしながら、一巡すると・・・・あれよあれよと・・・合点するものがわかり・・・、点と点をきちんと結ぶことができましたが、感覚を頼りに決めたので・・・あまり正解にこだわらず、すぐに回答。
初めてだし間違って当たり前!!なんて腹をくくり、あとは美味しいお酒をぐびぐび呑んでました。

某蔵元がもってきていただいた美味しいお酒に心身ともに酔いしれ、宴もたけなわになった頃、忘れかけてた利き酒の結果が発表に・・・・・!!

 

なんと私は5点中満点!と、すべてをあてることができたとのこと。 発表されて、本当に自分なの!?と疑ってしまったのですが・・・戻ってきた自分の解答用紙をみて、我冷静に「あぁなるほど!」と気づくことがありました。

 

利き酒は、まるで組香に近しい!

 

■それは、香りを「聞く」ということ。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、日本では「香りを聞く」という表現があります。

意味としては、その香りの世界を感じえること。つまり、香りを通じてどういう世界のなかで生育してきたのか、などを聞くということ。

目に見えない香り、もちろん、音をだすこともない幽玄的な香りに耳をかたむけて聞く。 なんともみやびな表現ですよね。

 

■香道の席で行われる「組香(くみこう)」は、何種類かの香りを組み合わせてその香木の香りを聞き当てます。 組香には季節に応じたテーマが設定され、それにちなんだ香銘の香木が使われたりします。

呼吸を整え、一つ一つの香木の香りに耳を傾けるかのように香りを聞く。

 だいたい一回の香炉で3呼吸ほどといわれますが、その少ないときのなかで、香りが拡がる悠久な世界を堪能でき、非日常的な世界へと心を誘ってくれます。

 その時は、ただただ・・・・鼻に全神経を集中して、目に見えないその香りの世界を心の中で描きます。

 

それは、その時のお題に即した香りの世界であったり・・・、その一片の香木が悠久の時を経て今香っているそれまでの世界など・・・、感じうける光景はいつも違います。

 

■利き酒と聞く香りに

利き酒はまだまだ体験した身でしかないのですが、その時に感じえたものはまるで一片の香木を聞いているかのようでした。

日本酒の勉強会をつうじて知ったのは、各々の蔵元が丹精をこめてつくった日本酒には、原料米の精米歩合種類、麹へのこだわり方や、そしてその土地に流れる「水」や土地の風土、造り手の技術等、様々な要因が一つの結晶となり、味のうまみを輝かせてくれます。

それは、まさに香を聞くのと同じように思いました。

 

■「聞く」ことで世界が広がる♪

寒さもひとしお身にしみるころになり、年の瀬がちかくなるので忘年会など酒をかわす機会がふえてくるかと思います。

盃を交しながらも、そのいっぱいにこめられた味の世界に心を誘ってみてください♪

そこはきっとはてとなくひろがる世界が広がり、想像力をかきたててくれ・・・、新しい年をむかえるヒントがみえてくるかも・・!?

 

そんなことを思う今日一日でした。

 

 

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