花鳥風月~美しい自然の移り変わり~
豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。
小満 ~生物の気が大地に満ちる頃~
今日は、暦のうえでは「小満」。小満とは「万物したいに長じて天地に満ちはじめる」という意味です。
さまざまな生きものに生気があふれる時期。芽をだしたばかりの草はたちまち大きく育ち、木々の若葉も色濃く茂っていきます。
この写真は、今年3月に奈良県天川村に行った際に、偶然道端で目にした「ふきのとう」です。車道の端のところだけは土の土壌だったので、そこから顔をだすかのように花びらいているふきのとうに、あの時は大変感動したのを覚えています。 まだ寒かったので、身も心も春を待ちわびているころに、ふきのとうが寒い土の下からひょっこり顔をだして芽吹くその姿に、自然のだいご味を感じます。
新緑の美しい季節
あれから2か月も経ち、こうして新緑の美しい季節に。枝の先からは新緑の若葉がきれいに色濃く茂っており、生気に満ちています。
でも、その木々を支えている根っこに目をやると、こうしてしっかりと大地に根を伸ばしどっしりと構え、土の中でもゆっくりした呼吸をしているのを感じます。
4月から新しい環境や新しいことに挑戦する方もいらっしゃるのではないでしょうか。ついつい目の前にすぐに結果がでず焦ったり、落ち込んでしまったりすることもあるのでは・・。でも、きっとそれはたとえ目の前に結果がわかりやすいようにでていなくても、足元をみれば大地にしっかりと根が伸びている時期でもあるのかもしれませんね。
小満のこの頃から、いよいよ田植えが本格的にはじまっていく頃。 これからまたどんどん成長していく時期でもありますね。
爽やかな初夏のみぎり、皆様のますますのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。