芒種~日本の美しい四季・二十四節気~

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芒種~日本の美しい四季・二十四節気~

『芒ある穀類、稼種する時也』(暦便覧)
芒(のぎ)のある穀物や稲や麦など穂のでる穀物の種をまくころ。

この時期は新しい生命の誕生や成長が多くみられる頃。多くの生命の輝きと息吹の香りを楽しめる季節になりました*

 


 

私も田植えをしてまいりました

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Juttoku.もご縁をいただいている奈良県天川村にある天河大弁才天社の「御田祭」に、早乙女としてご奉仕してまいりました。おかげ様で今年で三回目のご奉仕となりました。

この時期になると様々な地域で御田祭が行われたというニュースを新聞などでも目にします。地方それぞれの特色はあるかと思いますが、「御田祭」としてのお祭りの意味は同じだと思います。

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五穀豊穣を祈る 御田祭とは

御田祭を初めて耳にされる方も多いかと思います。 このお祭りは、田の神をまつり、五穀豊穣を祈願するもので、女性が絣の着物にたすきを巻いた早乙女姿で田植えを行います。

私たち日本人にとってお米は主食であり、エネルギーの源であります。だから、稲は「命の根」といわれています。

だから、「田植え」はまるで水田に私たちの「命の根」を吹き込むかのようにも感じます。

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桜と田植え

これは以前、禰宜様から聞かせていただいたお話です。 私たちが春になると誰もが待ち望みそして愛でてやまない「桜」。実は、この桜は水田農業にとって神聖な花でありました。 何故ならば、桜は”田の神様”の依り代であるから・・・!

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田の神は冬は山におり、稲作がはじまる春になると山から下りてきて、美しい桜の花を咲かせてくれます。そしてその後、田の神は稲の成長を見守り、豊作をもたらしてくれ、そしてまた山へと戻るそうです。 そのため、私たちも田の神に豊作を祈り神前にお供えします。

日本人にとって大切な桜とお米がこうして神様につながっているのですから、ありがたいことですね。

 

泥まみれになりながらも

さて、今年も例年にならい早乙女姿になり田植えをさせていただきました。 三度目とはいえども、なかなか慣れるものではなく・・・・毎回毎回慎重に田植えさせていただきます。中でも一番私の苦戦するのは、まっすぐに植えていくことです。 3束ほど苗をとり水田に植えていくのですが、その植える部分をみているとまっすぐ植えられたと思うのですが、ふと全体を見渡すと・・・徐々に曲がっていったりと・・・なかなか真っ直ぐに一直線に田植えすることが難しいものです。 木を見ず、森を見ろ、と言わんばかりの心の声が聞こえるのですが、水田の泥の中に足をいれ、腰をかがませながら田植えをするのは、想像をはるかにこえた重労働でもあります。

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無事に田植えが終わる頃には、着ていた早乙女の着物も泥まみれに。 でも、なにかこの泥の汚れが勲章のように光ってみえたりもします。

神社境内なる水田のためここで育てられたお米は神様へのお供えとなりますが、自分で田植えしたお米が立派に育ち刈り取りができたときはなんともいえない感慨深い思いになります。

 

農家の方々への感謝の気持ち

現代は技術も発達し、田植えも機械化されており農家の方々の田植えの作業の負担は大きく軽減されたと思いますが、とはいえども重労働であることは間違いないと思います。 そしてこれから、農家の方々が手間ひまかけて育ててくれ、そして秋に収穫して、私たちの台所、はたまた・・・胃袋へと届きます。

こうして、農家の方々が手間ひまかけて育ててくれたお米を苦労なくおいしくいただけることへの感謝の心をつねに心の中におき、美味しくいただきたいものです。

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早乙女として田植えをさせていただく度に、こうして食への感謝を学ばせて、いや、気づかせていただいています。  また、同時に毎年思うのは、田植えをいた稲と同じように、大きく太陽にむかって成長していけるように・・・そんな祈りと決意を胸に・・・・東京に戻ります。

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芒種の時期は新しい生命の誕生や成長が多くみられる頃であります。皆さまにとっても成長が楽しめる季節でありますように・・・・*

 

 

 

本日もご覧いただきありがとうございました。

 

 


 

心に深い安らぎを与えてくれる「美しいカオリ」を、自然と調和する「美しいくらし」に、をコンセプトにもつJuttoku.。日本の美しい自然の移り変 わりを写真をつうじてお届けしております。先人たちが培ってきた“自然を愛で、香りを愛でる”日本の香文化をお楽しみください。

 

 

 

 

 

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