花鳥風月~美しい自然の移り変わり~
豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。
睦月の満月の夜に
大寒を迎え、いよいよ冬将軍の到来。夜の冷え込みは、身に染み入ります。
山々を歩いていると、また、街の中の街路樹にしても、葉が落ちて枝だけになっている木々も同じように寒さに身を震わせているのかなと思うことがあります。
でも、今朝ふと木々を見ながら『寒そう』と思うのはこちらの勝手なおもいで、木々は新たな芽吹かせるためにものすごい“生命力”にあふれていると感じてしまいました。
生まれ変わる
紅葉の美しさは色だけでなく、その自然のうつろいのはかなさにも心をうたれます。その反面、秋にその一年精一杯栄養を受容していた葉を自らそぎ落としていくことで、新たな芽をだす準備にはいるとき。 紅葉のときもこの自然の生命力の凄みを感じるのですが、実は一番強く動いているときはまさに今なのではないでしょうか。
自分にとって不要なものをきれいにそぎ落としたところに、新しい芽が生える。
芽吹き、つぼみになり、そして可憐な一輪の花が咲く。この自然の生命の営みは私たちにもあてはまるのではないでしょうか。
再誕生するために
木々が自ら葉を落とし新しい芽をだす準備をしていくように、私たちも不要だと思うことを手放していくとき。それは、新しい芽をだしたいと思っても、その芽の先の部分がまだ古いかけらがくっついていたら芽をだしたくてもだせずじまいになってしまいもったいないことに。
私たちにとっての不要なものというのは、空間にあふれるモノを整理して不要なものは断捨離するというのもひとつですし、過去に縛られる自分であったり、考え方ややめたいと思う悪い習慣などなど、様々。
満月の夜に香まじない
ここで、香まじない。香には『祓い清め』『祈りを天に届ける』ものとJuttoku.は考え、このまじないをしています。
まずは、自分で手放したいと思うことを黒いインクの筆ペンで紙に書き出します。もう自分には不要だと思うことや、夢や目標の実現のために邪魔になっているものでもなんでも。その際、ゼロにするという願いをこめてある「新月」のお香を一本焚きます。
書き出したら、自分に言い聞かせるように「~を手放します」と声にだして宣言します。そして、その紙に向けて思いっきり息を吹きかけ、焚いている香の先端から20㎝ぐらいはなれた上のほうに書いた紙をその香の煙の上にさらします。
体の内々もスッキリするぐらい吐きりあぶり終えたら、その紙を刻み破り切り、ごみ箱へ捨ててください。
次に、満月のお香を1本焚きます。
「満月」の香は、ゼロになっていたものを満たしていく願いをこめてつくられた香です。あらためて自分が今年たてた目標や夢などを、心の中で思い描きます。
できれば、お部屋から満月がみえたら満月にむけて手を合わせながら祈ります。(もし、お部屋から満月が見えなかったら、夜空に向けて手を合わせるのでも大丈夫です)
そして、今日から7日間は毎夜、満月の香を焚きながら今と同じように祈りをあげてみてください。
“満たしていく”という願いがこめられている満月の香が、あなたの思いを満たしていく後押しをしてくれます。
新しい芽を
今宵は睦月の満月。
厳しい寒さに時に心が凍ってしまうこともあると思いますが、木々が教えてくれているように今が肝心な時。表になかなかでにくいものであっても、内々の部分でもう再誕にむけて動きが始まっています。
新たな芽を生やし花々を咲かしていくためにも、ご自分をせき止めているものを手放してみてはいかがでしょうか。
奇しくももう来週には2月。日本も前までは太陰暦のなかでの暦でしたので、旧暦のなかで2月が年始まりでした。 つまり、これからがいよいよ2019年の始まりです。
皆さまにとって、2019年がより良き一年になりますように*
すてきな満月の夜をお過ごしください。