花鳥風月~美しい自然の移り変わり~ 豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。
天界に咲く花
9月20日に彼岸入りし、23日には秋分の日を迎え、さわやかな秋風が吹く心地よい季節です。そして、自然の草花では、彼岸花が咲き乱れる頃となりました。
彼岸花は別名、曼珠沙華(まんじゅしゃけ)。これは、サンスクリット語でmanjusakaと呼ばれており、天界に咲く花という意味だそうです。
お彼岸の季節に咲くということもあり、旬なきれいなお花を見に埼玉県にある巾着田に行ってきました。
神秘的な赤に包まれ
約500万本の彼岸花(曼珠沙華)が咲き誇っている巾着田にある巾着田曼珠沙華公園内。入るなり、一面に広がる赤くひろがる景色は、なんとも神秘的です。
「天の花」といわれるゆえん、 おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典によるものだとか。
花をみると、どの花も上へと向いている姿をみると、まるでほんとうに天で咲いていた花が降ってきたようにもみえます。
葉見ず花みず
花のあとで葉が伸び、冬と春を越して夏近くになると葉は消えてしまい、花と葉を同時に見ることはできない。そのため、花のある時期には葉がなく、葉のある時期には花がないという特徴から、「葉見ず花見ず」と呼ばれています。
大輪の花が咲いているのに葉がないのは見ていてもなんとも不思議で、そこにより神聖なものを感じるのでしょうか。
天からの喜びを感じる
実は、仏教の教えでは天界に咲く花には、蓮の花なども含め四華・五天華あり、その一つがこの曼珠沙華になります。
仏陀が法を説こうとすると天の神が喜び、それに答えるかのように天界に咲く花が喜びを祝い天から降り注ぐ、それが五天華だとか。
教えでは、曼珠沙華は、「この花を見ると自ずからと悪業から離れられる」という天界の花だそうです。
この悪業は、人様に迷惑をかけたりする犯罪ななどだけではなく、日ごろのしみついた悪い習慣のことも含まれるのでしょうか。
そういう意味もこめられていると勝手に信じ、秋分を迎え新たな季節をむかえた今、染みついた悪い習慣をぬぐいすて、良い習慣を身につけていきたいものですね!
より早い時間に起きてお散歩の時間を楽しむ習慣であったり、瞑想を習慣づけたり・・、お香を焚いたり・・・・!
習慣が人生を創るともいいますしね。
皆さまにも、これらの写真をつうじ曼珠沙華の教えが伝わり、新たな季節が新たな気持ちでスタートできると幸いです。
旬の花を愛で
そして、何よりもぜひ巾着田へも足を運んで直接観賞してみてください。今がまさに見頃だそうです!
巾着田曼珠沙華まつり
場所:埼玉県日高市大字高麗本郷125-2
URL:http://www.kinchakuda.com/