直接お肌や、衣服に塗って使う「塗香(ずこう)」。
元来は仏教で使われるお清めの道具でしたが、
最近では和のフレグランスとして日常で使われています。
強すぎる香りが敬遠されやすい時代となり、ほのかに香る塗香に注目される方も増え、同時に本来の目的である「清め」の効果をお求めにご来店されるお客様もいらっしゃいます。
Juttoku.のスタッフもお参りに行く際や、気持ちをリセットしたい時、また日常のフレグランスとして普段から使っています。
塗香について「全く知らない」「興味がある」という方向けにこちらの記事では「塗香の使い方」をご案内いたします。
「塗香」は粉末状のお香
塗香は粉末状にされた香原料を調合したお香です。
ベビーパウダーのようにさらさらとした非常に細かい粉末なので、手や体に擦り込むように塗ることで、肌に馴染んで見た目にはわからなくなります。
また塗香の原料は香木や漢方に使われる和漢植物を乾燥させ、粉末にした自然そのもので、基本的に無害であると言われています。
「塗香」の使い方
本来、宗教の中で使うお清めの道具ですので、宗派や地域によって作法には違いがあります。
一例としては「身・口・意(身体・言葉・心)」を清めるために、
・ひとつまみの塗香を反対の手のひらに置き、手のひらをすりつける。
・塗香のついている指先を唇にあてる。(口業の清め)
・塗香のついている指先を額にあてる。(意業の清め)
・両の手をすり合わせ、衣服にもつける。(身業の清め)
という使い方がされます。
実際に販売されているものを使われる場合には、難しく考えず、少量の塗香を手のひらに取り、手のひらにに直接すり込むように使っていただければ良いかと思います。
塗香を携帯する場合には「塗香入れ」という入れ物に少量入れて持ち運びます。
「塗香」で清める
塗香は元来仏教の中で使われる祈りの道具です。
仏教発祥の地インドでは古来より、殺菌効果の高い白檀をはじめとする多くの芳香植物が産出する地域であったため、住まいや身体を清潔に保つために香りを使用する風習がありました。
やがて仏教の中で空間や心身を清めるために使われるようになり、現代に至るまで寺院では儀礼の前に塗香を使い、心身を清めています。
一般の方が使う場合には、神社仏閣にお詣りする際に自身を清めたり、人混みなど様々な気が入り混じっているところに行く時、重い気持ちを祓いたい時に、少量の塗香を手に取り、身体にすり込むことで悪い気を払い、心身を清めてくれます。
新しい時代に、古来からの香りを。
塗香は香水のように強く香るものではありません。
それは本来目的が、”香らせる”ためのものではなく、”清める”ためのものであるからです。
しかし、塗香も香水と同じように、人の体臭と混ざり、同じものを使ってもそれぞれの香りに変化します。
近年では強すぎる香りは敬遠される傾向にあるため、ほのかに香る和のフレグランスとして香水のような感覚で香りを楽しむこともできます。
塗香は古来から続く宗教的な意味合いをもつものではありますが、それぞれの利用シーンに合わせて気軽に使っていただく方が増えています。
お香ならではの心を落ち着く香りを纏うと、今までの日常の見え方が少し変わってくるかもしれません。
Juttoku.の塗香はこちらです。
【2019年9月追記】
塗香づくりが当店でのお香づくり体験のメニューに新たに追加となりました。
当体験では、オリジナルで作っていただく塗香を二種類作りお持ち帰りいただけます。ご予約は随時ウェブサイト内からも承っております。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。