LOVE and PEACE

Juttoku.店舗便り
Juttoku.の世界観や香りを五感で感じ取れるJuttoku.神楽坂弁天町店。本コラムでは、お店でのあれこれをお届けします。

アメリカからのお客様

昨日は出張兼ねて来日されているアメリカ人の方々が、お香づくり体験をしにご来店いただきました。

今までもフランス・イギリス・イタリア・モロッコ・台湾等・・様々な国の方々にご参加いただいたことがあるのですが、アメリカからのお客様は実は初めてでした*

日本に二度、三度来たことがあるそうで、日本の風土・温厚な人柄・食事がすごくいい!と仰っていました。特に日本のサービスはどこに行っても、驚くばかりだと。なにかとてもうれしいですね*

「お香」のイメージ。実は・・・

何度か来日されている中で、今回は初めての「日本のお香」という文化に触れたいということでご来店いただきました。

しかし、最初の話の中で面白いことに「実は、incenseというとヒッピーなイメージしかないんだ」ということから話は大盛り上がり。実はカナダ人の友人からもずいぶん前に同じようなことを聞いていたので特段驚きはしないのですが、あらためて聞くと、本当にそうなんだという確信へと変わり、この日本人の抱くイメージとの乖離が面白く感じてしまいました。

日本のお香の文化

日本のお香文化の歴史は1500年以上の長い歴史が紡がれてきていますが、伝来当初は仏教の教義のもと、場を清めるため、そして祈りを届けるために。そして、平安時代になると貴族のたしなみとなり、暮らしの中で香りを楽しんだり、自らの美しさ・家柄をも香りで表現するように。鎌倉時代にはいると精神統一のために用いられ、安土桃山時代をとおして江戸時代になると「香道」という芸道の領域にまで培われるようになりました。

このように、長い歴史をつうじて日本のお香文化が花開いてきたのですが、お香の原料が船舶品ということもあり貴重なものであったがゆえ、江戸時代までは貴族をはじめ皇室や武将の方々が中心としてたしなまれていましたが、江戸にはいると庶民にもひろがり、暮らしのなかで身近にお香の香りを楽しんでいたといわれています。

そのため、特段何かのグループに属しているというのはなく、一般的に社会に浸透していったからこそ日本の文化の面の一つにもなっている所以にも思えます。ただ、一方で日本ではお香というと「どことなく敷居が高い」という風に感じられる方もいらっしゃるのも事実。

そのような日本でのイメージのお話をお伝えすると、彼らも自分たちが抱くイメージとのギャップの差に大変驚かれていました。

 

国・文化は違えども

日本のお香の文化の特徴はその他にもいろいろとありますが、だから凄いのだとかそういう話ではなく、お香の香りを愛でるというのは国や文化が違えども、心安らかなひと時であるのは変わりありません。

香りを一つ一つ聞きながら、思い描くイメージの香りの世界を創りだしていく。そのステップは心を静めて、雑念なども払い落し、無の境地にひたるような感覚に似ています。

さっきまで楽しくワイワイ話していたのに、香を調合するときは、みなさん静かに自分の世界に入り込まれていました。

 

LOVE and PEACE

調合が終わると、みなさんどことなく表情がすっきりされていました。「瞑想している感覚に似ているという意味がわかったよ!」「頭を休める、というのはこういうことなのだね」と、口々に仰っていただいたのがとても印象に残っています。

みなさんが作られた香りは、“異世界に連れて行ってくれるようなイメージ”で作ったという「Magic Carpet」、“自然に帰り、心落ち着く時”というイメージの「Moss(コケ)」、“自分の故郷を思い出す”「Indian Summer」、夕焼けの海岸に潮風を感じながら鳥が気持ちよさそうに飛んでいる映像をイメージした「Summer Sea」等、皆さま思い思いの心に描かれた香りの世界を創っていただきました。

そして、最後に記念に撮影した写真はみんなで“ピース”ポーズで。

日本での写真の掛け声はなぜか「はい、チーズ」というのだよね、というところからアメリカでは絶対にしない!ということからやってみたい、ということでこのポーズに!

 

ふと思ったのはお香に限らずですが、心休まる時を愛でることができる、それが何よりも平和な証であるのかなと思いました。

 

帰り際、男性の方が「優しい気持ちになれたよ、ありがとう」という言葉がとても心に響きました。

 

LOVE and PEACE。お香から平和を感じる、そんな貴重な体験のときでした。

 

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