Juttoku.便り
Juttoku.の世界観や香りを五感で感じ取れるJuttoku.店舗。本コラムでは、お店でのあれこれをお届けします。
特別な空間の中で
今年にはいってから様々な制限も外れてたこともあり、お店の外でも香づくり体験をご案内させていただく機会がまた増えました。
その中で、今月は特別な空間の中で行わせていただくことが続いたので、その時の一コマをご紹介させていただきます。
虫の声とそよ風と
1つ目は某外資系企業様から特別なお客様への体験のご用命をいただき、鎌倉にて行わせていただきました。
入り口から、この邸宅の素晴らしさを感じる佇まいを感じます。
門を抜けた瞬間から、まるでタイムスリップしたようにも感じる静かな時が流れているようにも感じる、森閑とした空間がひろがっていました。
行わわせていただいた空間は、能舞台として作られた神聖な空間。我々はもちろんのこと、ご参加いただく方々にも白い靴下を履いていただいてお上がりいただきました。
行わせていただいた日は7月後半でもあり大暑を迎え、都内では暑さで汗ばむにも関わらず、この空間ではエアコンもつけず、窓を開けて涼風が心地よく入りとても真夏とは感じないほど涼やかな空間。そして、夕刻の時に近づくにつれ、虫の音もよりだんだんと伸びやかに響き渡り、まさに異空間とも感じる特別な空間でありました。
「鎌倉」という地にて、鎌倉時代の武士たちにも思いを馳せながら、静寂な空間にて香に触れていただきました。
特に「聞香」では、涼風を感じながら、風にゆられながら木々の葉の音、そして、虫の音に包まれながら”聞く”香りは、超越した世界を垣間見るそんな幻想的な体験でした。
また、何よりもこの閑寂でなおかつ神聖な空間で行わせていただく我々としても、ひとつひとつの所作により厳かにそして慎ましく行う気持ちになり、終わる頃には心が澄み渡っていたようにも感じます。
「輪」=「和」
もう一件のお取組みも、某外資系企業様の外国人向けの研修の一環にてご案内をさせていただきました。
日本の香文化について歴史を紐解きながらお話をさせていただきましたが、そこには「日本独自の香」というのではなく、「和合」「調和」という精神があるということもお伝えさせていただきました。
行わせていただいた会場が都内にある八芳園でしたが、会場を後にする際、この八芳園のエントランス入り口のモニュメントに心を惹かれました。
葉で覆われた大きな輪。
偶然にも、その象徴である「輪(わ)」が、我々が香の根底にあると感じてる「和(わ)」と同じ音の響きでもあることに気づき感慨深く感じました。
今回はそれぞれ企業様からのご要望ということで特別に構成をした内容で行わせていただきました。店舗外でも、企業様のオフィス内で行わせていただいたりもしますが、今回は我々にとっても新たな世界に触れ、また、学び得る体験がとても大きかった贅沢なひとときでした。