花鳥風月~美しい自然の移り変わり~
豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。
待ちに待った梅の開花
ここ連日また冬のような寒さが続きますが、暦の上では「立春」
ご覧のとおり、
でも、満開になった梅を鑑賞するよりも、今のこの蕾のときが実は
節分のあとに梅が春の訪れを知らせるかのようにいち早く咲きはじ
蕾がまだ多いなかで、こうして先に花びらいている梅をみると、
春の香り
時代は遡り、日本の香文化が花開いた平安時代。
はなやかに今めかしう、すこしはやき心しらひを添へて、
(梅枝「源氏物語」)
(華やかに今風な、いくらか鋭く、
これは源氏物語「梅枝」のなかで紫の上が精魂込めて創り上げた「
▲寒ければ寒いほど梅は強い香りを放つように香りが色濃く感じ、 寒い冬を越えていち早く咲く梅。
梅に学ぶ「侘び」のこころ
花をのみまつらん人に やまざとの ゆきまの草の春をみせばや」
これは、花や花やと騒いでも、その花が咲くまでの辛抱、
麗らかな春の訪れを前に最後に寒さが厳しくなるとき。
あなたはどんな種をまき、どんな花を咲かせ、
今宵の満月はぜひ香を焚きながら、
(2020年2月9日満月の夜に配信した月便りの内容を転載)
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