大宇宙と小宇宙~神無月の満月の夜に~

花鳥風月~美しい自然の移り変わり~
豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。

秋気が肌にしみる季節となり秋真っ盛りの時季、先日、富士五湖の一つの「河口湖」にお出かけしてきました。野山の木々はまだそこまで色づいてはいませんでしたが、湖畔に目を動かすときれいに花びらいているコスモスに心奪われました。

 

コスモスの和名は「秋桜」。秋の桜。春は桜の木々を見上げながら頭上にひろがる桜色の世界を楽しみますが、“秋桜”は少し目線を下にしながら自分の足元が色とりどりの鮮やかな色で染め上げられ極楽浄土とまではいわずともどことなく至福の気持ちに浸れます。

 

秩序と調和の表われとしての宇宙

一方で、英語では(秩序と調和の表われとしての)宇宙という意味の「COSMOS(コスモス)」という単語があります。古代ギリシア語では秩序や調和といった状態を示す言葉だそうですが、英語では一気に視点が大空をこえてその先の宇宙の世界に。

以前読んだことがある書物に「インド哲学」にふれられており、そこに「大宇宙(マクロコスモス)」と「小宇宙(ミクロコスモス)」という考え方について書かれていました。宇宙全体が何らかの秩序を持った統一体として捉えられるとき、宇宙全体を「大宇宙(マクロコスモス)」と。一方で、同じように秩序ある人間自身、私たち自身は「小宇宙(ミクロコスモス)」ととらえます。

 

『大宇宙がそうであるように、小宇宙である人間もそうである』

 

同じくこれもインド哲学の教えの中にありますが、言わんとすることは「一部は全体であり、全体は一部である。」ということ。

さて、今宵は神無月の満月。空気が澄んで、夜空を見上げると美しい月が見られる頃。残念ながら、今日の夜はあいにくの空模様ですが、厚い雲の上では大きなお月さまがあたたかくみまもってくれているのかなと思いをはせながら、宇宙のつながりを感じてみる、そんな楽しみも満月の夜だかこそできるのかもしれません。

 

(2019年10月14日満月の夜に配信した月便りの内容を転載)

 

 


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