すっかり季節は秋(長月)

Juttoku.店舗便り
Juttoku.の世界観や香りを五感で感じ取れるJuttoku.の店舗「神楽坂弁天町店」。本コラムでは、お店でのあれこれをお届けします。

一雨ごとに秋色加わり、虫達の声もにぎやかになって参りました。もうすっかり季節は秋ですね。

 

秋日、志を言ふ  釈智蔵
(上略) 気爽くして山川麗しく、風高くして物候芳ふ。 (「懐風藻」より)

 

“空気は爽やかで山も川も美しく、風は空高くて吹いて気候風物は素晴らしい”と読まれていますが、ここ最近は台風も続いたりと晴れわたる青空が時として恋しくもあります。

 

新しい香炉が入荷しました

入荷するとすぐに売り切れてしまう有田焼の香炉。
今回はまた様々な紋様やきれいに色付けされた香炉が入荷いたしました。

 

また、こちらの九谷焼の香炉も再入荷いたしました。
愛らしい大きさでもあるので、九谷焼の香炉のなかでも人気が高い香炉の一つになります。

 

ようやく名前も決まり

そして、店頭ではご案内させていただいており、すでにリピートしていただいてるお客様もいらっしゃいます新しい香り。実は名前がきちんと決まらずのままでいたのですが、この度正式決定いたしました。

いつもお求めいただいているお客様からも「まだ名前決まらないの?」「どういう名前になるか気になる」というお声もいくつかいただいていたこともあり、ようやく決まり私どももホッとしております。

オンラインショップでも整い次第販売開始をいたしますので、しばしお待ちくださいませ。

 

 

木漏れ日

季節の変わり目、そして秋の長雨が続き夏の暑さの疲れを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。お香を焚きながら、体を休め、心も休ませる。長雨が過ぎると、色鮮やかな秋がより深まっていき、気持ちもまたなんだかわくわくしていきますよね。

この画像は、淡路島にある伊弉諾神宮の境内の中から撮った太陽の木漏れ日です。どことなく鬱蒼としてしまうときもあるかと思いますが、空を見上げると太陽はいつも見守ってくれているのだと感じます。

皆様の秋が実り多きものとなりますよう、お祈り申し上げます。

 

 

天川村で育てたハーブ

Juttoku.便り
心に深い安らぎを与えてくれる「美しいカオリ」を、自然と調和する「美しいくらし」に、をコンセプトにもつJuttoku.。
四季の美しい日本にいながら、自然と調和する暮らしのなかで、日々様々な出逢いや学びに恵まれます。それは、自然の時間の中に自分を置くことで感じることや、自然をつうじて学ぶ日本の美意識、そして旅先などで見聞することなど。本コラムでは、Juttoku.の折々の暮らしをお届けします。

心も体も安らぐひと時

香を焚きながら心安らぐひと時を大切にしたいと思うJuttoku.では、奈良県吉野郡にある天川村にて育てられているハーブ畑のお手伝いを数年前からしておりました。

特に今年の夏は隔週のように天川にまで行く生活をしておりました。

 

なぜ、天川村に?

6年ぐらい前に観光客の一人として行ったのが本当に最初のきっかけでした。知人から「奈良にとてもすてきな場所があるわよ」と言われた一言にとても駆り立てられ、修学旅行以来行ったことがなかった奈良の地に足を運びました。

“ご縁がある人しか行けない”とまでいわれる天川村。奈良の市内からも2時間はかかりますし、標高1895Mの主峰である霊場「弥山」の麗にある場所です。

この村の中にあるのが、天河大弁財天社。
この神社のこと、村のことについては以前もこちらのブログ内でご紹介させていただいております。

日本の長い歴史を紐とくなかでとても縁のある場所ですが、とにかく山と川しかないといっても過言ではないほど・・・そのままの自然の原風景が残る場所です。

 

「日本」を知りたくて

「日本のお香」のことを知れば知るほど、いきつく壁の一つは“日本はどういう国?”ということにぶつかります。

お香づくり体験の中でも私どものなかでお伝えしているなかに「原料はどれ一つとしていまだに日本ではとれない」ということ。原料が日本で手にはいるから日本のお香ができたのだと思いがちですが、長い歴史をたどっても伝来当初から日本はお香の原料となる和漢香料は他国から輸入をしているものでした。

では何が“日本の香文化”を培ってきたのかと考察していくと、日本人の「感性」にいきつきます。

 

日本人の感性

日本人でありながら日本人の感性、時として、美意識と総称されるものではありますが、調べていけばいくほどその答えは“日本人の自然との向き合い方”にあるのだと気づきました。

コンクリートジャングルの都会でデジタルの利便性に恵まれている時代に生まれ育つと、「自然」というと大きな切口になりすぎて、どことなくわかっているけれどもやはりわからない・・・そんな矛盾な気持ちにぶつかることもしばしばありました。

その答えを求めに、天川村へ還ることが始まったといっても過言ではありません。

気が付いたら一か月に1度は通いはじめ、今年の夏は隔週で行き来しておりました。

 

それは心の迷いや人生の岐路にたったり時に思い悩んだりすることも、自然がすべて教えてくれるという冥利にいきついたからかもしれません。

 

自然の香りを

自分自身と向き合うためでもある“香を焚くひととき”であるからこそ、自然そのものの香りにこだわり職人が厳選して原料を選び調合していただいておりますが、自然そのものの・・・というのをもっと感じてもらえれば・・・と、5年前からお手伝いしていたハーブ園のハーブたちを少しずつですがようやく表にだせればと思いすすめております。

 

その第一弾として、朝採った生ハーブをそのままお届けできればとハーブ園のオーナーの方と話しております。

しかしながら、9月にはいってからの立て続けの台風と大雨により、ハーブ園の土壌もゆるんだり状況などもみながらとなっており、どのハーブをどれぐらいの方々にお届けできるかは現在確認中です。

きちんとわかりしだいあらためてお伝えいたしますが、10月の新月の日に収穫したハーブをまずは第一弾としてすすめております。

 

お香を焚きながらハーブティーからも体も安らぐ。そんな安らぎのひと時をお届けできればと思っております。

 

 

菊にあやかり長寿を願う、重陽の節句

花鳥風月~美しい自然の移り変わり~ 豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。 

 

重陽の節句

9月9日は、重陽の節句。五節句のうちの一つですが、この重陽の節句は耳慣れない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

中国の風習と日本の風習が合わさった「節句」

そもそも、節句とは季節の折目節目、つまり“季節の変わり目”のことを意味しており、古代中国(唐時代)の暦法で定めれた季節の節目でした。

古代中国では陰陽説が尊ばれており、陽(奇数)が重なると陰になるとして、暦の中で奇数の月と日が重なる日をとりだし、陰を避けるため季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓っていたといわれています。 この中国の暦の影響をうけて、古代の日本の朝廷も年中行事として定め、その風習が日本の農耕を行う人々にまで伝わり、人日(1月1日)、上巳(3月3日)、端午(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(9月9日)が五節句と定められ、宮中で邪気を祓う宴会が催されるようになったそうです。

邪気を祓い、新節を清い体で

いずれにせよ、前述したとおり節句は季節の変わり目であることにほかならず、体調をくずしやすい時でもあります。 現代は医薬が充実していますが、未発達であった古代の時代で考えれば、邪気を防ぎ健康を保って季節の変わり目を乗り切るということは切実な願いであったと思います。 そこで、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うことが行事化され、前節までに身につけた穢れを祓い、新節を清い体で乗り越えようと考えられたのがことのはじまりです。

 

菊にあやかり長寿を願う

最大の陽数である「九」が重なるため重陽の節句といわれますが、「菊の節句」とも言われており、秋の深まるこの時期に鮮やかに彩る菊の花にあやかり長寿を願う行事が平安宮中に行われていました。

 

 観菊の宴

 

長陽の節句_菊酒」

菊を愛でながら、菊酒を呑みかわし、詩歌を詠んでは楽しむという「観菊の宴」。

菊の花と葉を穀物に混ぜて作られ、菊の花を浮かべるなどしてふるまわれた菊酒は、菊の清々しい香りと花の気品の高さによって邪気を祓い、寿命を延ばすと考えられ、互いに長寿延命を願いなが盃をかわしていたそうです。

桃の節供の桃酒、端午の節句の菖蒲酒とおなじように邪気払いとして呑まれますが、この菊酒が一番呪力が高いともいわれていたそうです。想像するにきっとこの菊酒は、お屠蘇のようなもので、ガブガブ呑むようなお酒というよりは一杯のお酒に願いを込めて呑んでいたのではないでしょうか。菊の花を浮かべるというのもなんとも風流なものですね。

 

 

被せ綿

菊

前日の夕刻に菊の花に真綿をかぶせて、庭にだしておくと、翌朝にはしっとりと朝露で菊の香りとともに真綿に染み込みます。この菊の香りもしみこんだ真綿で肌をふくと、肌が美しくなり、また長生きできるという、お祓いと長寿の願いをこめられた宮中の行事でした。

 

紫式部日記にもこの被せ綿について詠まれている歌があり、宮中の女性たちの心が今の女性にも伝わってくるものがあります。

 

 

香りで清める、それは心をも清める

 

「観菊の宴」「被せ綿」から共通してみえる菊の香り。感じ方は様々だと思いますが、菊の香りは清々しい香りで、まるで禊をした気持ちにまでさせてくれる清涼な香りです。

 

 

このごろの 時雨の雨に 菊の花     
      散りぞしぬべき あたらその香を

 

 

[この頃の時雨の雨に、菊の花は散ってしまいそうだ。 惜しいことにこの雨で芳しい香りも消えてしまうのだなあ。] この歌は、桓武天皇によって詠まれており、菊を詠んだ和歌としては最も古い歌であり、菊の香りが消えてしまうことを惜しまれている気持ちが伝わってきます。

 

長陽の節句_菊

目に見えない香りに静かに心を傾け、息づく自然の生命、自然の美を感じとる。今こそ大切にしたい心であり、心落ち着かせながらその香りを感じとることが、おそらく何よりも心を落ち着かせ、清らかにさせてくれたのではないでしょうか。

 

 

 

(本コラムは、2015年9月のコラムの再掲載になります)

風薫る(皐月)

Juttoku.店舗便り
Juttoku.の世界観や香りを五感で感じ取れるJuttoku.の店舗「神楽坂弁天町店」。本コラムでは、お店でのあれこれをお届けします。

風薫る

 

薫風の ありなる渡る 光かな  (作者:内田百間)

 

風薫る五月になり、新緑の美しい季節になりました。
この写真は、先日奈良県に行ってきた際の川沿いから撮った木々です。杉の木や、落葉樹などが群生していますが、木漏れ日がとてもきれいでした。

鳥のさえずりとそよ風で青みがかった緑の葉が揺れる音を聞きながら、新緑の清々しい生気あふれる香りに包みこまれ、しばし自然の中に染み入っていました。

 

 

青々とした緑を店内にも

Juttoku.の店舗内にもそんな新緑の緑を感じていただこうと、新緑のドウダンツツジしつらえました。

落葉性の花木のため冬の間はしばらく違う枝木でしたが、春になりひさびさにこうしてドウダンツツジを迎え入れることができ、春の喜びをあらためて感じてしまいます。

 

新しい香りのお香もお披露目

今月より新たに仲間入りすることになったお香も、まずは店頭のみですがご案内させていただいております。

すでに香りを気に入っていただき、リピートでお求めいただく方も増えてきております。私どももとても気に入っており、これからのジメジメした季節にはぴったりの香りばかりです。

 

そして、有田焼の香炉もご案内しております。

 

毎日お香を焚かれる方にはおすすめの一品です。今回は、大きいサイズの香炉も。

 

 

 

心に潤いを

木の芽時は体調を崩しやすいとのこと。また、新年度も始まり忙しなくされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。お香を焚きながら、リラックスした時間を少しでもお楽しみください。

皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中秋の名月

花鳥風月~美しい自然の移り変わり~ 豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。

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秋の気配

朝夕日毎に涼しくなってきました。さえざえとした夜空に月も星もくっきり輝き、秋の虫の音やそよ風から秋の気配がすぐそばに感じられます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 

中秋の名月

秋澄む夜空にくっきり浮かぶ秋の月、特に旧暦の葉月15日夜の満月を「中秋の名月」「名月」「十五夜」と呼ばれており、一年の中でもっとも美しいといわれております。

今宵は、そんな「中秋の名月」の日。

秋澄んだ夜空にはえるお月様を愛でるときですが、このならわしは、唐の時代に中国から伝わってきた月見の祭事と、古来日本にあった月を祀る慣習が合わさったものです。

古代には欠けのない満月を豊穣の象徴とみなしていたともいわれており、秋の実りに祈りを捧げる行事でもあり、平安時代には貴族たちが舟遊びをして水面に映る月を眺めたり、杯に月を映したりして楽しんでいたそうです。

 

豊穣の月への捧げもの

月見

この季節は、多くの作物が実る豊穣の時であり、「時満ちて実を結ぶ頃」と満月の「月が満ちる」ということも重なり、月に感謝する特別な日です。

お月様にはこの時期が旬の野菜や果物、また里芋などのほかに、満月を表す団子を三方に奉書紙を敷いたうえに並べてお供えします。その隣には、豊穣をもたらす月の神様の依代と考えられてるススキの穂もしつらえます。

これらお供え物はお月様に捧げるとの意をこめて、月の出る方角へ正面をむけてお供えします。月から見て左が上座にあたるため、左に里芋などの秋の収穫(自然界の盛り物)を、人工のお団子は下座である右側にしつらえます。

ススキの穂は稲穂に見立てたもので、その秋の豊作の祈り、田の実りへの感謝を捧げます。また、葛などの蔓のある植物を飾ると、月の神様に通じるという意味合いもあるのとか。

 

自然界へ「感謝」

こうして「お月見」の習わし・理由を知ると、今夜は特別な夜な気がします。

現代の日本の暮らしでは、昔の方に比べては格別にあたかも簡単に野菜など食べ物を手にすることができますが、その背景には様々な働きをしてくださる農家の方、運搬してくれる方、そして、流通して販売してくださる方など多くの方々のおかげであります。
また、同時に、これら作物が美味しく実るには、太陽や雨などの天候、自然の働きがあってこそ。

今宵はぜひ香を焚き清らかな空間の中で月見をしながら、自然や目に見えないけれどもこうして支え合っている社会への感謝の気持ち、そして・・・祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。

天気予報によると、全国的に広く秋晴れとなり、夜は月が見られるところが多くなりそうとのことです。どのような月の姿が見られるのが楽しみですね!皆さまも、すてきな月夜をお楽しみください。

 

 

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