梅花から思いを馳せる

花鳥風月
豊かな地球の恵みを敏感に感じ、絶妙な香りの配合を表現してきた先人たちの繊細な感性により培われてきた日本の香文化。それは、自然との共生を大切にし、様々なものを調和させ、新しいものを生み出す日本人の美意識そのもの。そんな日本人の美意識をはぐくむ「日本の美しい自然の移り変わり」を、本コラムでお届けします。

春風にのって春薫る

全国的に春うららかな天気に恵まれ、春の訪れを感じる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。春分の日も過ぎ、昨日は東京では桜の開花宣言もでました。いよいよ待ちに待った春の到来ですね。

 

春の香り

寒い冬を過ぎると少しずつ花も咲きはじめ、花々からは春の香りを感じるようになります。節分のあとに梅が春の訪れを知らせるかのようにいち早く咲きはじめ、桃、沈丁花、水仙、たんぽぽなども、そして桜と美しい花を咲かせてくれます。

それはまるで、植物たちも厳しい冬を耐え抜いた喜びを春を待ち望んでいたかのようにも感じます。こうして様々な春の花々が咲きますが、あなたにとって「春の香り」は何の香りが思い浮かびますでしょうか。

 

香りで悠久の時を巡る

時代は遡り、日本の香文化が花開いた平安時代。香りを楽しむのは貴族中心ではありましたが、『源氏物語』の中にも光源氏をはじめ藤壺の宮や紫の上など様々なシーンにおいて薫物(※お香)がでてきており、雅な王朝の暮らしのなかで香りが楽しまれていたのを窺い知ることができます。そして、その香りからも彼らの四季観を感じ取ることができ、当時は四季ごとに表現された香りがありました。

それは、「六種の薫物」と総じてよばれますが、春夏秋冬の四季毎に香りがありました。

●夏の香:「荷葉(かよう)」 蓮の葉の香りになぞらえた
●秋の香:「侍従(じじゅう)」秋風の感じをもつ
菊花(きくか)」 菊の花の香りになぞらえた
●冬の香:「黒方(くろぼう)」冬の香り(黒は冬、北、を意味するため)
※近世以降は「祝儀用の香」とされ、初春、また四季通用として用いられる香りに。

このように、春夏秋冬になぞり四季を感じる香りがありますが、「春の香り」は何が表現されていると思いますか?

 

 

王朝時代の「春の香り」

春の香り。それは「梅花(ばいか)」と称され、文字通り“梅の花”の香りに似せたものになります。

春というと“桜”の花を彷彿させますが、寒ければ寒いほど梅は強い香りを放つように香りが色濃く感じ、寒い冬を越えていち早く咲く梅が春の喜びをより一層感じることができるからでしょうかでしょうか。

この「梅花」には、沈香・占唐・甲香・甘松・白檀・丁子・麝香・薫陸の香料が混ぜ合わせられていたといわれています。

 

はなやかに今めかしう、すこしはやき心しらひを添へて、めづらしき薫り加はれり。(梅枝「源氏物語」)

(華やかに今風な、いくらか鋭く、強い香りを生かした心くばりがモダンで、ほかにないすてきな香りがする)

 

これは「梅枝」のなかで紫の上精魂込めて創り上げた「梅花」の香りに対して香りの判定をすることになった螢宮が評した言葉になりますが、用いる沈香の品質の良しあしや、同じ「梅花」でもその家々ごとの秘伝も加わり、出来上がった香りは多様で一概に同じとはいえず。しかしながら、「梅花」は想像するに馥郁たる甘さのなかにも凛とした気品高い香りを彷彿させます。

 

このように源氏物語でも「梅枝」の中でこの「梅花」の香りは描写されていますが、他にもこんな和歌もありました。

 

梅の花立ち寄るばかりありしおり人の咎むる香にぞ染みぬる  よみ人しらず

(ほんのちょっと梅の花に近寄ったばかりに、その移り香が染みついて、ひとに咎められる羽目になってしまった)

 

おそらくこの“人”とは奥さんのことであると思いますが、「梅花」の香りを焚き染めた女性に寄り添い、染み付いた移り香で浮気がばれてしまったという、なんとも現代でもよくありそうな話ではありますが、歌をよむこの男性も「梅花」の香りだとわかるところに感嘆します。

 

 

梅を憂い

「梅花」の香りをイメージしながらも、梅の香りをあらためてきちんと体感したいと思い、3月初めになりますが小田原の近くにある梅園に行ってきました。

 

大雨が降った後ということもありほとんど咲き散っていましたが、品種によってはまだ咲いており、その梅の近くを通る人はみんな「梅の香りがする~!」と喜びの声をあげていたほど。

寒い風のなかでも馥郁な甘い香りで楽しませてくれ、「梅花」の薫物の香りも当時はこういう梅の花を感じ取っていたのかなぁと思いを巡らしていました。

 

梅は輸入花であるけども

しかしながら、梅は中国からの輸入種であることも忘れてはなりません。

数年前に中国の蘇州にある有名な中国庭園を訪れた際、梅の木々が多く植えられており中国の春の木だと説明を受けとても驚愕したのを覚えています。(てっきり日本ならではの木だと当時はまだ思い込んでいたため。)

和歌などでも梅がうたわれるようになったのは奈良時代に入ってからで、梅の花が船舶品として日本にはいってきたのは中国から太宰府を経て平城京に入ってきたといわれています。当時の人々にとっては大陸のものはすべてが目新しくまた憧れもあったとはいえども、国風文化が培われるなかでも、梅の花の美しさも香りをも当時の人々を魅了していき、日本に土着していったのかもしれません。

 

 

「新たな命」が生まれるとき

春の訪れをつうじて春の香りに思いをはせてきましたが、こうして日本の風情におさまっている梅はやはり春の訪れをつげるめでたい花でもあります。

「春」は新たな季節、新たな春夏秋冬が始まる季節であり、また、植物などが枯れてしいまう寒い冬から、新たな芽、新たな命がでる時期であります。

 

あなたはどんな種をまき、どんな花を咲かせ、どのような香りを放ちたいですか?

 

新たな命がしっかりと育ち、そして実を結びますように。
すてきな春が皆さまにも訪れますように。

 

 

 

 

仏教の伝来と香木の漂着-日本の香の歴史を巡る

【 和の香り 】
豊かな自然に囲まれて、自然と寄り添いながら暮らしてきた日本には、木々の香りに包まれながら、優雅なお香の香りで暮らしを彩る和の生活を送ってきました。本コラムでは、そんな日本の木々の香りについてや、雅なお香についてお届けします。

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日本の香の歴史を巡る

古代インドから東へと伝えられた香の文化。日本にたどり着いてから、1400年以上もの長い歴史の中で、世界に類をみない日本独自の香文化を発展させてきました。

日本の香文化の成り立ち、歴史を知ると、さらに香への理解が深まり、暮らしの生活の中でもより愛着がわいてくることでしょう。

「日本の香の歴史を辿る」と題し、数回にわたり日本の香の歴史をご案内いたします。

まずはじめに

古代インドから東へ伝えられた香りの文化は、仏教とともに日本へと渡ってきました。

伝来した当初は、仏のための祈りの香として。その後、平安時代には女性たちの美しさの演出の一つににもなり、鎌倉時代には精神統一のために用いられます。その後、香を生活の中で楽しむ生活文化も培われると同時に、「香道」をはじめ、歌や物語、あるいは季節の風情と結びつき雅な遊びとして発展するなど、世界に類をみない日本独自の香文化を発展させてきました。

立派な香文化として培われてきた日本の香の歴史を紐解いてみると、そこからあらためて日本の素晴らしさ、豊かな文化がみえてきます。

 では、早速歴史をさかのぼってみてみましょう。

 

仏教の伝来と香木の漂着

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595年 淡路島に香木が漂着

お香の原料となる「香木」が初めて日本に漂着したのは、595年であると『日本書紀』の中で伝えられています。

“推古天皇三年の夏四月に 沈水淡路嶋に漂着れり 其の大きさ一圍(ひといだき) 嶋人 沈水といふことを知らずして 薪に交てて竈に焼く 其の烟気遠く薫る  即ち異なりとして献る” 
 (「日本書紀」より抜粋)

超訳ではありますが、要約すると下記のようにうたわれています。 

“推古天皇三年(595年)4月に、淡路島にひとかかえほどもある沈水(香木)が流れついてきました。島の人々は、ただの流木だと思いかまどに薪と一緒にくべたところ、たちまちたいへんかぐわしい香りのする煙がたちのぼった。これに驚いた人々は、この木片を朝廷に献上した。”

 

沈水と呼ばれる香木

淡路島に初めて漂着したといわれるこの沈水というのは、「沈香」のことです。沈水香木と書かれるように、比重が大変思いため水の中に沈んでしまうため、この名がついたとも言われています。

沈香は、現在でもお香の原料としても大変貴重な香木であり、特に品位の高い香りがします。

今となっては天然の沈香を手にするのも困難になりつつあり大変貴重な香木のため、ひとかかえほどもするほどの大きな沈香をくべたというのは、今となっては想像するに絶するほど贅沢なことでもありますが、さぞかし香しい香りがくゆらいだに違いないでしょう。

後に記載しますが、そもそもこのような香木は日本では生育しません。そのため、当時の人々が、薪といっしょにくべたことで、大変かぐわしい香りがするということに大変驚いたというのもわかる気がします。

 

聖徳太子が木片を鑑定

島の人々により朝廷に献上されたこの木片は、当時推古天皇の摂政をしていた聖徳太子によって鑑定されます。

博識のある聖徳太子は、この木片を見るなり、これは“正真正銘の「沈水(沈香)」である”と仰られたと言われています。

 

聖徳太子と仏教

島の人々が大変驚いたこの薫る木片を、なぜ聖徳太子は木片を見るなり「沈香」であると認めることができたのか。それは、聖徳太子は既に大陸から伝わってきた仏教の普及に努めていたほど仏教に精通していたからだと考えられています。

 

香木が漂着した595年より50年ほどさかのぼる538年に大陸から日本に伝わってきた仏教。 インドでうまれた仏教は、仏像や経典とともに日本にわたってきました。 仏教では、花を飾り、燈明を灯し、香を焚いて清めるという、一連の仏教儀礼があり、この三具足にあるように仏教の教えとともに、仏教儀礼の小道具なども大陸から伝わってきました。

そのため、既に仏教を熟知していた聖徳太子は、仏前を清め、諸仏に祈願をこめる儀式としての供香の原料である香木の存在を知っていたのであろうと考えられています。

 

その後、この献上された沈水(沈香)は財宝などとともに、671年に日本最古の本格的寺院である法興寺に献上されたと、『日本書紀』に記述されています。

 

(まとめ)仏教儀礼としての香

このように、日本ではお香の原料となる香木(沈香)が淡路島に漂着したのが日本のお香の歴史の始まりとなりますが、香木よりも先に伝来していたといわれる仏教と当時の政権状況も相重なり、仏教の普及とともに、仏教の儀礼としてつかわれる「香」、即ち「祈りのための香」であり、仏前を清め、諸仏に祈願をこめる儀式である『供香』としてが、日本の香の使い方の始まりでした。

 

香の形式は、沈香や白檀などの香木を粉末にしたり刻んだものを、漢方の生薬として薬効成分も高いその他の香原料をまぜ合わせて焚いてくゆらせる使い方であり、「焼香」と呼ばれる方法です。

 

 

いかがでしたでしょうか。「「祈りのための香」」として伝来した日本の香が、この先どのような歴史をたどっていくのでしょうか。そこには、今の私たちの暮らしにも紐づくものがみえてきます。

Juttoku.の印香の楽しみ方

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本日は、Juttoku.の印香の使い方についてご紹介させていただきます。
普段使いをはじめ、プレゼントにも人気のあるJuttoku.の印香。使い方は大きく二通りあり、楽しみ方は実に様々です。

 

飾って楽しむことができるお香

 Juttoku.の印香は、 飾るだけでほのかに香るお香です 。火をつかわなくてもほのかに香るので、玄関や寝室などの場所に安心してインテリアの一部 として飾ってお楽しみいただけます。

 

香りが送り出し、そして、迎えてくれる玄関
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飾る場所としておすすめの場所の一つは、玄関です。

「今日も一日がんばるぞ!」とテンションを上げて出発する場所であり、「おかえりなさい!」と優しく迎えられる場所でもある玄関。 ここに印香を飾るだけで、玄関の空間にほのかな香りに包まれ笑顔で一日を始めることができ、また、帰宅する時もホッと落ち着く朗らかな気持ちになります。

火を使わなくてもほのかに香るので、お香を焚くことにまだ慣れていない方やお香初心者の方でも安心してご利用いただけます。

また、Juttoku.の印香は愛らしい和菓子のような季節感を感じる香る飾りとしてもお楽しみいただけるので、インテリアの一部としても玄関を彩ります。

 

心地よい夜を迎える寝室

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 次におすすめの場所は、寝室です。

一日の終わりをゆったりと過ごし、 その日一日の疲れを癒す場所である寝室。ベッドサイドに、彩りをそえるかのように印香を飾れば、目で見ても癒され、香りでも癒されます。

安眠効果がある白檀のやわらかく優しい香りが一日の疲れを癒し、心地よい眠りを誘います

  このように、Juttoku.の印香は火を使わずに飾っておくだけで使えるので、安らぎのひとときに安心してお使いいただけます。玄関や寝室のほかにも、おトイレや書斎など、お好きな場所に飾り、香りをお楽しみいただけます。

 

 

香りをうつしこませる楽しみ方

Juttoku.の印香の楽しみ方のもう一つはは、Juttoku.の印香は空間に香りを彩るだけでなく、香りをうつしこませる楽しみ方もあります。

お洋服をふんわりいい香りに

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Juttoku.の印香は、火をつかわなくてもほのかに香るので、クローゼットタンスの中に置いたり、またサシャエ等の袋に印香をいれてハンガーにつるしたりすると、ふんわりとお香のいい香りが衣類にうつります。

お洋服を着たときにうつったお香の香りがふわっと広がり、良い香りをまとっているような気分になります。

平安時代の貴族は「衣香」といって着物に香を焚き染めていましたが、Juttoku.の印香をタンスやクローゼットの中にそえておけば香りをうつりこますことができます。

防虫効果のある白檀をベースだから防虫剤にも

防虫効果のある白檀をベースに、その他桂皮・龍脳などの天然香料を配合して調合しているため、大切な衣類を虫食いから守ることができます。

香のいい香りもうつりこみ、一石二鳥ですよね。

 

 気持ちを伝える香

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 大切な方を心にはせながら想いをしたため、想いを香りとともに伝える。Juttoku.の印香は、書きながら手紙の上にのせておくと、ほんのり香りがうつりこみ、また、印香をポチ袋などにいれて文香として同封することができます。

受け取った方は、封をあけると広がるほのかな香りに心おどらされ、想いの手紙の文面に心揺すぶられるでしょう。

 

 

 

 

このように、Juttoku.の印香は空間に香りを彩るだけでなく、香りをうつしこませる楽しみ方もあります。

 

使い方は、実に様々です。皆さまのお好きな方法でいろいろな使い方で香を身近に感じ、香が暮らしのなかに彩られる美しい暮らしをお送りできると幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

歌舞伎界、落語界、香道で多岐に使われている「香盤」という言葉

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

 

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先日の落語の話の続きです。

 

 

コウバン

先日の独演会の会場の中でのことでした。開演する前にに聞こえた会話のなかで、「三遊亭のコウバンは、今は~」と。後半は聞こえなくなってしまったのですが、ふとこの言葉が耳に残り気になりました。

『コウバン・・・・?! 交番?降板?どういう意味だろう・・』

 

気になったので、休憩時間中に知人の同じく鳳楽師匠の長年のファンの方に伺ったところ、教えてくれました。

「コウバンは、噺家(芸人)の序列のことだよ!」

聞くところ、漢字は「香盤」と書くそうです。これを聞いた私は、まるでこれはお香と同じではないかととてもびっくりしました。

 

 

 

落語の世界で意味する『香盤』とは

 

あらためて、上述のとおり落語の世界では噺家の序列のことを『香盤(こうばん)』と呼ぶそうです。落語協会内部でつくられているそうで、この序列による上下関係により、坐る位置や寄席の割りなどを決めるそうです。

 

例えば、この序列。まずは、師匠のもとに入門して見習いのタマゴである「前座見習い」、そして「前座」、「二ツ目」、そして約10年ほど二ツ目を努めるとようやく「真打ち」につけるそうです。ただし、「真打ち」になったから安泰ではなく、一生修行して磨きをあげていくのが真の落語家であるという言葉が印象的でした。

私が会場で聞いたあの会話は、この香盤を意味しており、おそらく今日の独演会では誰が前座で、二ツ目なのかを話していたのかもしれませんね。

 

※(余談ではありますが)後で調べて知ったのですが、江戸落語ではこの香盤が公になっているのですが、上方落語では香盤は存在するそうですがそれが公にはしていないそうです。公開してしまうと、ペナルティとしてその落語家の香盤を下げてしまうとか。理由が気になります。

 

 

 

そもそも「香盤」とは

 

さて、この「香盤」。落語会で意味する“コウバン”の漢字を聞いて驚きましたが、字のごとく、「香」の「盤」。 香道に使われる香盤とまるで同じなのです。

香道では、一片の小さく刻んだ香木を炭を中にいけこんだ灰のうえに、銀葉(ぎんよう)というガラスみたいな薄い透明の板にのせて香りを聞きます。 お作法として、香を焚く前にこの銀葉を乗せたり、焚き終わった香を銀葉ごと置いておくために使われるのがこの香盤になります。

この香道で使う香盤と、落語界で意味る香盤がどのようなつながりがあるのか・・・。

 

 

 

歌舞伎界で意味する「香盤」

調べてみると、落語会だけでなく歌舞伎界でも「香盤」があるそうで、実際は「香盤表」という言葉で使われているそうです。 意味は二つあり、一つは製作スタッフの方たちが配役を書き込んで使う「一覧表」、もう一つは「客席の座席表」を意味するそうです。

 

 “縦横の線で作った升目の右端に演目・場面、下に一座の俳優名が並んでいます。俳優が出演する演目には、升目に役名を書き入れ、各演目のどの役に誰が出ているか一目でわかります。”
(引用元:歌舞伎公式サイト
http://www.kabuki-ito.jp/kabuki_column/todaysword/post_172.html

 

私はこの香盤表の実物をみたことがないので推測でしかないのですが、この配役の一覧表が碁盤の目のようにしきられており、それと同じように香道でつかう香盤も升目のように縦横で配列されている盤なので・・・・それに似ているというところから香盤という言葉を選んだのでか。

 

 

 

歌舞伎界、落語界、香道で多岐に使われる「香盤」という言葉

もはやここまでくると・・・・すべて憶測でしかないのですが、落語界で意味する香盤ももとは相撲の番付のように横綱を筆頭に、関取などが書かれているように、碁盤の目のような整列された表に「真打ち」「二ツ目」「前座」と書かれていたのかもしれません。

 

 「香盤」という言葉一つで、業界を越えて多岐にわたりそれぞれの意味で使われているのにあらためて驚きを感じているのと同時に、日本の代表する芸能・芸道文化が言葉で横につながっているところになにか歓びも感じます。

 

 

 

知れば知るほど奥が深く楽しい世界。落語はまだまだ足を踏み入れたばかりではありますが、香道にしろ、歌舞伎にしろ、落語にしろ・・・・長い歴史をもちもはや日本の文化の一つでもある世界を気軽に楽しめるこの地にいれることに感謝です。

 

 

 

 

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

香を「聞く」と落語に通じる世界

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

さて、先日、落語を観賞してきました!

こういうことを言うと・・・怒られてしまうかもしれませんが、ついこの間まで落語の面白さが今一つわからず、ずっと話を聞いているのは退屈だなぁと思っていたのですが、昨年末にご縁あって“三遊亭鳳楽”師匠の落語を観賞させてもらってから、すっかり落語の魅力に吸い込まれてしまいました。それ以来、機会があれば寄席などに足を運ばせていただいております。

先日も、楽しみにしていた鳳楽師匠の独演会に仕事後行ってきました。

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江戸の街へタイムスリップ

まだまだずぶの素人なので落語の魅力など語れる資格はないのですが、私が率直に落語の世界に魅了されているのは、一つ目はとにかく楽しい♪ということ、そして、二つ目はまるで鳳楽師匠が壇上で話しているのが映像となってその世界に入り込め、まるで江戸の街へタイムスリップしてしまうかのような疑似体感♪です。

一つ目のとにかく楽しい♪は、その文字ずらとおりで・・・とにかく終始笑いっぱなしです。 クスッと笑ってしまったり、ゲラゲラ笑ってしまったり・・・いつも1時間~2時間の寄席の後は口角が自然とキュッと上がり自然なリフトアップがされています^^。

二つ目は、毎回自分でも不思議に感じるのですが、高座には座布団と師匠しかいないのに、私の目に映るのは江戸の街なみ、いろいろな人物、時には一緒に自分もお蕎麦を食べたり、呑んでいるかのような錯覚にも陥ってしまうかのような・・・・頭の中では完全に3D映画の中に、いや・・・タイムスリップしているかのようにリアルに感じてしまうところです。

 江戸時代は昔の文献などでも、文化が栄え、また人情あふれる平和な時代だったと書かれていることもあり、いつも興味があり憧れの時代の一つでもあります。

 

 

今回の演目

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お弟子さん達のお話のあと、いよいよ師匠の高座。今回は、「お見立て」と「唐茄子屋」。

お見立て(おみたて)
江戸時代の笑話本に原話があるとされる古い噺。「お見立て」は、見て、えらび定めるの意で、廓の張り見世で格子内に並んだ花魁を選ぶときに若い衆が使用していた言葉。大正年間に写真の普及とともに張り見世は少なくなっていった。【引用元:第264回 三遊亭鳳楽独演会 パンフレットより】

唐茄子屋(とうなすや)
夏の噺の代表作である。古今亭志ん生、鳳楽の大師匠三遊亭圓生など多くの名人上手が演じ、現在も夏の寄席では必ずといってよいほど演じられている。 演者により演出が異なり落語の醍醐味を楽しめる人情噺である。「唐茄子屋政談」として演題をだすこともある。円熟味をました鳳楽の芸を大師匠圓生の香りとともに楽しめる一席となっている。
【引用元:第264回 三遊亭鳳楽独演会 パンフレットより】

お見立ては“笑い噺”である一方、唐茄子屋は笑いもあるが人情噺。 唐茄子とは、かぼちゃのことで江戸では唐茄子と呼んでいたそうだが、この唐茄子屋というタイトルから噺、オチまでは想像をはるかにこえた展開であり、スカッと笑えて最後はホロッとするいい噺でした。

 

「お見立て」に出てくる線香

「お見立て」の噺は、とても面白いのでぜひ一度鑑賞していただきたいのですが、このお話の中の最後クライマックスでお線香がでてきます。といっても、香りを語るというよりも煙・・・がオチへつなげていく一つの重要なシーンです。


江戸時代の遊廓、吉原にて。
この日は、遠くからはるばる来た常連のお客さんが花魁に会いにきました。しかし、花魁はこの人に会うのがどうしても嫌なので若い衆に、お客さんに体調を崩して今日は会えないと言ってくれと頼みますが、そうであればせめてお見舞いだけさせてくれと懇願するお客さん。でも、どうしても会いたくない花魁は、「恋い焦がれて死んだと言いなよ」と。 若い衆からそう聞いたお客さんは悲しみに浸り・・・それでは、せめてお墓参りだけでもさせてほしいと。

しかし、花魁の会いたくないおもいからでたこの嘘話なので、お墓なぞあるわけもなく。花魁は、適当に新しそうな墓石を見つけて墓石を覆い隠すようにたくさん花を飾り、そして、墓石の戒名が見えないようにたくさん線香を焚いて、ごまかしてくれと。 ただ、若い衆がごまかそうとしてもすぐにその墓石が違うとバレてしまい、これも違うあれも違う、となり、最後は「いったいぜんたい花魁の墓は何処だ」。「へい、沢山ございますので、どうぞお見立てください」。m(__)m


オチを言って最後にお辞儀されるので、思わず絵文字でお辞儀(m(__)m)をタイプしてしまいましたが、ざっとこのような流れのお話です。 しかし、こうして見ると・・・・・笑いの要所を全然伝えられていないので、せっかく楽しい落語の噺を変に要約するものではないと少し省みてます・・・。

墓石の文字を覆い隠すほどの煙がまっていたのですから、どれぐらいお線香を手向けたのでしょうか・・・・。とにはかくにも、ぜひ機会があればご高覧くださいませ。

 

粋と呼ばれる貴重な文化が育った江戸の吉原

「お見立て」の噺の舞台である江戸の吉原。ここは、江戸幕府に公認された遊廓で始めは現在の人形町近くにあったそうですが、その後江戸で大きな火事があり現在の日本堤に移転したそうです。

 

遊廓と聞くと夜の街のようにも思えてしまっていたのですが、師匠によると、江戸の粋と呼ばれる貴重な文化が育った場所だったそうです。 多くの知識人や文化人が集まり、高級な社交場としての地位が高められ、文学や、音楽、美術などの芸術の誕生、江戸の庶民の文化生活にも大きな影響を与えてきた文化の面でも大切な場所であったそうです。

 

また、話によると花魁は教養も高かったとか。元は地方から売り売られた少女だったのが、のぼりあがっていく過程の中で学び得ていったのでしょうか。また、噺の中でも師匠が花魁を演じるときは、「~ありんす」と独特の花魁言葉を使ってましたが、この花魁言葉も各地方出身の女性が流入していたので、当初は各地のお国言葉が使われていたそうですが、いろいろな言葉が混在しては色気がないことで、やがて優艶な吉原の花魁言葉に統一していったそうです。

 

香を「聞く」と落語に通じる世界

このように、落語の噺の中に吸い込まれるかのように江戸時代にタイムスリップしているかのように感じられるのも落語の楽しさの醍醐味の一つ。

それは、きっと噺の世界が聴いている人が情景を豊かに”想像”し、自由に楽しめるからだと思います。同じ噺を聴いていても、恐らく人それぞれに頭の中に浮かぶ映像や感じ方は様々だと思います。目には見えないけれども、そこには豊かに情景を想像してみえる世界がひろがっています。

 

これは、「香道」や香を「聞く」にも共通する部分があります。 一片の香木の香りを“聞き”広がる世界。それは、たしかに人それぞれ感じ方は違えども、目に見えないものから想像してみえる幽玄な世界があります。

ぜひ、この自由に想像しながら噺の世界を楽しめる落語ですが、ついつい敷居を高く感じてしまったり噺だけと退屈に感じてしまうこと無かれ!! 香を焚きリラックスしてストレス発散するのもいいですが、こうして楽しい噺を聞いてスカッと笑えるのも気持ちのいいものです

ぜひ仕事帰りにもタイミングがあえば行ってみてください!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました♪

 

 

 

(参考までに)

最後に、余談ではありますが、私はすっかり鳳楽師匠のファンになり、来月も何席かチケットを既に購入してしまい観覧してくる予定でおります。

鳳楽師匠の独演会は、この先下記のスケジュールで行われるそうです。
・平成27年8月21日(金)/平成27年9月25日(金)/平成27年10月23日(金)
上記日程のものは、会場は日暮里サニーホールで行われ、開演は午後6時半からになります。当日、会場でもチケットは販売されていますのでぜひお時間できた方は一度足を運んでみられてはいかがでしょうか?

また、東京は気軽に楽しめる寄席もあります!

浅草演芸ホール
東京都台東区浅草1-43-12
Tel:03-3841-6545

お江戸上野広小路亭
東京都台東区上野1-20-10 上野永谷ビル
Tel:03-3833-1789

お江戸日本橋亭
東京都中央区日本橋本町3-1-6
日本橋永谷ビル1F
Tel:o3-3245-1278

国立演芸場
東京都千代田区隼町4-1
Tel:03-3265-7411

新宿末広亭
東京都新宿区新宿3-6-12
tel:03-3351-2974

 

落語を聞き、思いっきり笑い、日頃の嫌なことも吹き飛ばしてしまいましょう♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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