秋の深まりとともに、雅な感性を磨く

Juttoku.便り
心に深い安らぎを与えてくれる「美しいカオリ」を、自然と調和する「美しいくらし」に、をコンセプトにもつJuttoku.。
四 季の美しい日本にいながら、自然と調和する暮らしのなかで、日々様々な出逢いや学びに恵まれます。それは、自然の時間の中に自分を置くことで感じること や、自然をつうじて学ぶ日本の美意識、そして旅先などで見聞することなど。本コラムでは、Juttoku.の折々の暮らしをお届けします。

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山粧う季節

空は深く澄み渡り、秋晴れの心地よい季節となりました。 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

“木の間より もりくる月の影見れば
心づくしの秋は来にけり” 
(『古今和歌集』秋歌上 よみ人しらず)

中秋の名月もすぎ、10月は「後の名月」としてまた月を賞翫するころですが、すっかり季節は山粧う季節になりました。 今年の夏は日照時間もそこまで長くはなかった分、こうして秋晴れの天気が続くと、心も清々しくなりますね。

8月は香道のお稽古も夏休みだったので、9月からまた毎週のようにお稽古を重ねることができ、香道のお稽古が今となっては一番の心整うひと時に・・・。また一方で、10月に入ってからお茶席のご招待をいただいたりと、お着物を纏う機会もここ立て続けにありました。 小紋のお着物ではなく、訪問着としてのお着物を着る機会が続くと、季節を感じるお着物の絵柄や帯、そして、帯留めとの色の組み合わせなど・・・季節に合わせながらいろいろと色や絵柄なども考えたりするので楽しく、またそれも風流な雅な感覚を味わうことができ、秋の季節がもたらしてくれる豊かさを感じます。

心ときほぐす、おもてなしの心がつまった煎茶会

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先日参加させていただいた煎茶会は、東京の護国寺にて行われました。この日も、澄み渡るほどの気持ちの良い青空。やや陽射しが強かったため、汗ばむ陽気にも感じました。

IMG_20151004_112500しかし、お茶室前のお庭(露地)に入ると、きれいに整えられた庭に涼しさをも感じる透き通った手水鉢が。

この空間にいるだけでも暑さを忘れ心も落ち着き、静寂の心地にいざなわれます。

 

お煎茶の買い

茶室の中では、お抹茶の席とはまた違う室礼であったり、お茶のお道具もまた種々様々あり、観ているだけでも目を楽しませていただけます。

 

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本席には、煎茶だけでなく、焙煎茶(ほうじ茶)や、烏龍茶のお席も。この写真は、焙煎茶のお席だったのですが、お茶を焙煎する際の茶器は席主の方が庭先で育ていたひょうたんをご自分で作られたとのこと。

見た目もとても愛らしく、茶葉を焙煎している時に広がるふっくらとした香り豊かなほうじ茶の香りに癒やされるだけでなく、ひょうたんの中で茶葉が焙煎される音、そして、その見た目・・・全てがとても心艶めくひと時でした。

 

 

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また、何よりも興味深かったのは茶室内の室礼でした。これは、煎茶席の室礼のひとつ。床の間でなく、客の間の後ろ側に大きくしつらえられたこのバラと末と松ぼっくり。席主の方のおもてなしであり、この席主の方も季節に合わせた茶席の室礼をと、ご自宅の近くにおちていた松ぼっくりをあしらわれ。

 

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これは、烏龍茶席の室礼。それぞれの茶席にテーマがあり、それに合わせた茶器を揃えられ、掛け軸に、そして盛りもの。

 

 

 お抹茶の茶席での室礼とはまた違うおもてなしの心にふれることができ、また何よりも、出がら茶ではなく心をこめ、ゆっくりと、いれていただいた一服のお茶がまるで心の良薬かのように、心に安らぎをもたらしてくれました。

 

 

茶席などでの楽しみ

お茶の会などに参加させていただくと、そこでのおもてなしの心に様々な面々でふれることができ、帰路につくときには心が満たされなんともいえない高揚感と夢見心地になります。

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また、このようなお席では宝物、名宝といっても過言ではないほど様々な美術品を目にすることもできます。

今回の煎茶会でも、お席各々にて唐物から磁器など様々な茶器をはじめ、茶葉入れなどの茶道具や、掛け軸、香炉なども拝見することができました。やはりこのようなものは、直接目でみることで、色や質感、繊細な意向を凝らしたデザインをみると、その時代の息吹をも感じます。

 

 

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 無論、香道の香席でも床の間の室礼も席主のおもてなしの心を感じます。
(香道では、香りを聞くため、お茶の席とは違い生花などの室礼は行いません)

 

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本年6月に富山で開催された香道志野流の香道全国大会の際。

 

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貴重な重香箱や、総包を拝見することができました。

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 これらは、それぞれの香席の席主の方がおもてなしの心で展示していただいておりました。

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古今和歌集を目にすることができるなんて・・・感慨深く、筆でしるされた文字からも当時の凄みも感じます。

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こうして、香席の後にこれら美術品を一つ一つゆっくり堪能できるのも、楽しみの一つでもあります。

秋の深まりとともに、雅な感性を磨く

こうして初めて参加させていただいた煎茶の会をつうじてまた新たな日本の伝統文化にふれることができ、世界観がまた広がるようでとても楽しいひと時でありました。

秋も深まる今日このごろ。芸術の秋ともいわれますが、様々な芸術品や絵画なども直接見たりすることで、そこから大きな世界がまた広がると思います。

皆さまもすてきな秋のときをお楽しみください。

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