香象

Juttoku.便り
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お寺にて香に包まれる

8月に入り、ひときわ厳しい日差しが照りつけております。

今月もご用命を賜り、都内のお寺さんにて香港人の方々へ香づくり体験を行わせていただきました。

今回はご住職の方による講話と行の体験と共に行わせていただく大変興味深い内容でした。

 

触香(そっこう)

ご住職のお話をお堂で伺うにあたり、皆一同にてお堂に入ろうとする際、「この上をまたいでください」とご案内がありました。

 

物の上をまたぐというのはどこか抵抗感と緊張感を感じつつ、恐る恐るまたいでいく参加者の皆さん。緊張感がある一方で、芳香に包まれ心地よい気持ちにも誘われます。

これは、“”を模した香炉をまたいで身を清める「触香(そっこう)」という作法になります。

この象を模した香炉は「香象(こうぞう)」といいます。

 

香象(こうぞう)

穏やかな表情にも見えるこの象は、青色で香気を帯びており、大海を渡るような力を持つ想像上の生き物だそうです。

道場(お堂)に入る際に、この香象(香炉)の上を跨ぐことで、下から立ちのぼる香煙で薫じ清められるという作法になるそうです。

入る前から厳かな気持ちに、そして心身が清らかな状態で行にはいることができる不思議な感覚でした。

 

五体投地

お堂の中では、ご住職様のご説法をいただいたのち、毎日のお勤めの一つである三唱礼・三身礼を行うことになりました。

南無阿弥陀仏」という念仏を唱えながら、正座、合掌の状態から立ち上がり、再び座るときに、額、両肘、両膝の5カ所を地に着ける、五体投地。

仏教では最高の敬礼法と言われ、いざ行うとまさに全身全霊で行うとはこういうことかと思うほど体全部をつかう感覚でした。

礼拝の時に、両掌を上に向けて両耳につけるのは、阿弥陀さまの両足を手のひらにいただく気持ちを表したもので、お勤めの最初にお迎えした阿弥陀さまに、最高の礼拝で口にも体にも感謝の心を表すものだそうです。

香港の方々も一生懸命見様見真似で行っていらっしゃいました。

 

阿弥陀様に帰依した後は

心静寂なままに、香りと向き合い調香をしました。

 

ご参加者の中には7歳の小さな女の子もいらっしゃりいましたが、初めて目にする日本での体験を通じ彼女が香りで表現したものの一つには、ご住職様のお姿を香りで表現し感謝を伝えるというものでした。

とてもすてきな光景にこちらも心とぎほぐされるものでした。

 

 

今回は日本の文化体験の一環で行わせていただきましたが、私どもも大変学び得るものが多かったです。ご参加いただいた皆様も大変すてきな方々ばかりで、「再見」と言葉とおりになることを願う、すてきな御縁でした。

 

 

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