城と季節の花と絵画を愛でる~名古屋城~

こんにちは。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。

 

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さて、この上のお城の写真をみてすぐにどこのお城かはわかりますでしょうか!?
ヒントは・・・・、天守閣です・・・!!

そうです・・・・!!正解は、【名古屋城】です。
今回仕事の関係で名古屋に初めて行ってまいりました。 いつかは行ってみたい・・!と思っていたものの・・・名古屋を通過していつもそのまま関西圏にばかり行ってしまっていたため、今回はお仕事の関係もあり、初めて名古屋に立ち寄らせていただきました。

到着した日は生憎の雨だったのですが、仕事の用件等々も無事に終わった翌日には晴れやかなたお天気に恵まれ・・・短時間ではありましたが、少しだけ名古屋観光をしてきました。

 

『伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ、尾張名古屋は城でもつ』

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姫路城、熊本城とともに日本三名城に数えられる「名古屋城」は、1612年に徳川家康の命により築城されたそうです。

『伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ、尾張名古屋は城でもつ』と伊勢音頭で詠まれてるように、まさに名古屋の象徴であると名古屋の街を歩いてあらためて思いました。

現在の名古屋城は、修復等をえて再現され、歴史的建造物をより間近でそして学ぶことができます。 (個人的には、1階からそのままエレベーターに乗って天守閣のほうまで上がれるこの外観と中のギャップには驚いてしまいました・・・。)

徳川御三家の一つである尾張徳川家の居城として使われた城だけあり、江戸から明治への変遷の歴史をたどりながら城を眺めると、心に染み入るものがなんともあります。

SONY DSCそして、名古屋城といえば『しゃちほこ』!! 
これはレプリカだそうですが、間近で見てこの巨大さにややびっくりしました。

鯱は二体とも同じだとおもいきや・・・「夫婦」として二対だそうで、西の丸跡から見て左(北)が雄、右(南)が雌だそうです。身長はオスが約2.62m、メスは約2.58mと、少しだけ雄のほうが大きい・・というのもなんだかよく考えられていますよね。

木でまずは型作り、その上から銅などの金属で象られ、その上に約18000枚弱ものの小判に換算される金を貼り付けて作られていたそうです。 金の値段だけでも、現代の通貨に換算するとかなりの額になるということだけでも驚異的であるうえに・・・、この威厳のある顔をした荘厳な鯱の形を作りあげたこと、そして約1200kgもあるこの鯱をどう天守閣にまで取り付けたのか・・・・当時の技術と知恵に感服しました。

 

城と季節の花を愛でる

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幸いにも名古屋城内の桜はまだキレイに咲いており、いささかなお花見を楽しめました。
城内を歩いていると様々なお花がまるで迎えいれてくれているかのように、様々なお花がきれいに咲いておりました。

SONY DSCそれは、まるで名古屋城をきれいに着飾るかのよう。

いろいろな角度からみるお城の景観もお花によって違うようにも見え、城内からみる景観にすっかり酔いしれてしまいました。

 

 筆舌に尽くしがたい美しさを目にして

名古屋城の魅力にすっかり酔いしれてしまっていたのですが・・・最後に立ち寄った場所は、思わず小躍りしてしまうほどでした。

そこは、本丸御殿。天守閣の南側に本丸御殿があり、近世城郭御殿の最高傑作と言われ国宝に指定されていた建物だそうです。 空襲により焼失してしまった本丸御殿を、現在復元作業をされております。

 SONY DSC名古屋城本丸御殿は、日本画史上最大の画派といわれている「狩野派」である狩野貞信や狩野探幽などの絵師たちにより描かれた床の間絵や、襖絵が豪華絢爛にあしらわれていたそうですが、過日の空襲により焼失してしまったものの、一部残骸の絵から詳細に調べあげて、当時とまったく同じ方法、絵具で再現されているそうです。

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 お部屋ごとに描かれている絵はそれぞれ違い、一部屋一部屋がまるで絵画館かのよう・・・。
狩野派は、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康らの権力者に用いられ、江戸幕府によって保護された画家集団です。

本丸御殿が建立された当時は、戦国時代から江戸幕府へとうつりゆく時代。戦国時代の武将たちは、平安時代の貴族たちが様々な香料を練り合わせた薫香を楽しんでいたのに対し、一片の香木を”聞く”という楽しみ方をしていました。

慌ただしく混乱めいた時代に、目に見えない香りの世界はでは”静寂”さを楽しむ一方で、目にする空間は天下統一とばかりにその力を魅せつけるかのような”豪華”さを楽しんでいたのだろうか。

豪華絢爛と描かれている絵を鑑賞しながら、当時の想いに心を馳せ、楽しみました。

 

豪華絢爛な絵に匹敵するほどの豪華な檜建築

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 しかし、私がこの本丸御殿で小躍りするほど感激したのは、上述した絵画もさることながら、この建物そのものにも大変感銘しました。

入った瞬間に広がる「檜」の清涼な香り!! 聞いたところによると、全て木曽檜で作られているそうで、継手・仕口により木材を組み立てる伝統工法で復元されているそうです。

悲しいかな・・・・今の時代は総檜造りの家を構えることはなかなかの財力がないと難しく・・・当時と同じ雰囲気を体感することはないのだろうなぁ・・と思っていただけに、こうして本丸御殿に足を踏み込んだ瞬間にまるでタイムスリップしたかのような臨場感と高揚感にかられました。

それは、まさに“木々が呼吸している”空間。 
敷居があり閉ざされている空間でもあるのに、中にいると閉塞感もなく、無限と広がる開放感。

 

本丸御殿に住まわれていらした方々は、財力があるゆえども・・・日本のこの美しい文化を培う、教養や美意識の高さに感服するとともに、ただただ敬意をはらうばかりです。

 

 

 

 SONY DSC束の間の名古屋城観光ではありましたが、悠久の時をこえてまるでタイムスリップしたかのような楽しみを体感できたとても有意義なひとときでした。

奇しくも、私が学ばせていただいてる香道志野流の家元は代々名古屋にいらっしゃる・・・・わけで・・・・名古屋・・・・、もっと歴史や文化の流れを知りたい!欲求にかられており、後ろ髪を引かれる思いで東京へと戻ります。

 

 

 

本日も当ブログをご覧いただきありがとうございました。

 

美しい九谷焼~錦山窯の仕事展~

いつもご覧いただきありがとうございます。
無事に展示会も昨日終了し、束の間の一息つきたい今夜にぴったりな夜のひと時に・・・。
お仕事でお世話になっている方からお誘いをうけて、九谷焼の展示会とオープニングパーティーへ参加しに代官山に行ってきました。

 

HEART OF GOLD  錦山窯の仕事

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明治39年、石川県小松市に初代吉田庄作が開窯して以来、108年の歴史を紡いできた九谷「錦山窯」。 17世紀に加賀藩の御用窯として発展した九谷焼は、五彩を駆使した絢爛豪華な絵付を特徴とされており、特に錦山窯はその中でも金彩の技法を得意とし、代々「金」を使った作品に取り組んでこられたそうです。

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こんなにも艶やかで美しく、そして繊細な表現を「金」で表現するのは本当に人間の技?とも思えてしまうぐらい・・・。 今回の展示会では、この美しい作品がどのように作られているのか、そして実際に使わている道具も見ることができます。

 

100年の歴史の中で制作されてきた数々の酒器

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また、当展示会では錦山窯100年以上の歴史の中で先代がつくってきた酒器もみることができました。

はるか昔のとは思えないほど・・・・時代をこえても色褪せることのない、ため息がでるほどの豪華絢爛な酒器の数々を前に、すっかりほろよいの気分に。

三代吉田美統さんは「釉裏金彩」の技法を極め国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)であられ、作品も身近にみることができます。

 

美しい器が彩りをます美味しい食事

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パーティーでは、北陸の美味しい日本酒とおつまみをいただきました。美しいお皿にならべられたお料理、そして、ついつい「もう一杯!」と言いたくなるほどの美味しい日本酒を美しい錦山窯の盃が彩りをそえてくれます。

 

美しいものを見て、そして、美しい器を手にしながら美味しい料理・お酒を堪能でき・・・至福の時間を過ごすことができました。

 

この錦山窯の展示会は、今週末まで開催されております。お近くの際はぜひ足を運びにいかれてみてはいかがでしょうか。北陸新幹線が開通する目前、東京でも石川の息吹、そして美しさを感じることができます。

 



HEART OF GOLD 錦山窯の仕事

会期:2015年2月20日(金)~2月22日(日)
会場:ヒルサイドフォーラム
東京都渋谷区猿楽町18-8 代官山ヒルサイドテラスF棟
時間:11:00~20:30(最終日は~18:30)
URL:http://www.kinzangama.com/heartofgold


 

天地人の三徳から織りなされるこの美しき世界

皆さま、こんにちは。
いつもご覧いただきありがとうございます。

 

年始のご挨拶に

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2015年新しい年もはじまり2週間が経ち、約1ヶ月ぶりにまた天川に参りました。去年もちょうど今頃に天川に来ていたのですが、その時は防寒をきちんとしていないと寒くてしかたがなかったのですし、雪が積もるほど降っていたので天川までの道中も心配していたのですが、今年は驚くほど暖かったです!(ただ・・・それは、到着した日だけでした・・)

今回は新しい年を平穏に迎えることができたことへの感謝をお伝えしに、また、新しい香りの打合せや村の方々との交流やご神事にも参加するべく3日間ほど滞在し、充実した時を過ごさせていただきました。

そして、この3日間を通じてあらためて、「自然」への敬愛の念、また私たち人間は「自然」に生かされているということを強く実感しました。

 

人間の力は大自然の前では無力であること

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今回参加させていただいたご神事がとりおこなわれた1月17日は、あの阪神・淡路大震災から20年という年月が経った日でもありました。

ご神事の冒頭では、宮司様により鎮魂の儀も執り行われ、お話をつうじて皆それぞれが20年前の今日を思い返しておりました。

噴火、地震・・・・、何時起きるか知れない自然災害は私たち人間にとっては脅威に感じます。何故ならば・・一瞬にして多くの尊い命が犠牲になってしまうから。 ただ、同時に、人間の力は大自然の前では無力であることが骨身にしみます。

 

たとえ一粒たりとも天地人の三徳によりて生ず

これは二宮尊徳の書物に残されている言葉です。
天が太陽の光と雨水を与え、田畑の土が作物を育て、そして人間の働きがあって米ができる。
つまり、人が働かず天地の力がなければ、米は一粒たりともできない、ということを説いています。

近年科学がより発展しビニールハウスや人口光による栽培などできますが、制御できない自然が司る天候・地震には太刀打ちすることさえできず、大雪などがあればビニールハウスも簡単に破壊されてしまいます・・・。

ご神事の最後に宮司様は「ここ最近は、自然に対して人間が慢心しているときがある。生きとし生けるもの一人として、何ができるか、一人ひとりが悟ることが大切である」と仰っていましたが、まさにその通りであるとしみじみ感じました。

天地人の三徳、すなわち、神と自然と人間の力によりこの世は成立しており、どれ一つとして抜きん出るものもないのですね。

 

自然と共存することこそが美しい暮らし

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こうして”自然”との向き合い方をあらためて学ばせてもらい思うこと。それは、自然に順応し共存してきた日本人の暮らしというは、合理化・近代化していく社会風潮のなかで見捨てられていってしまっておりますが、忘れずに自分たちの世代で絶やすことなく後世にまで残していけるように紡いでいかなければいけないと思いました。

 

日本の香文化の発展の背景には、日本人が元来自然と寄り添いながら暮らしていた自然共存の考えをもっていたからだとも考えており、また、Juttoku.が扱うお香/アロマも原料は全て「天然」のもので自然の中で自然に生息して育った木樹、花、葉、根・・・全ては自然に属している「自然の産物」なので、日頃より自然に対して敬意をもって接してきましたが、今回の旅をつうじてあらためてそ自然への敬愛の念を強く痛切に感じました。

 (Juttoku.の考えについては「こちら」にてご紹介させていただいております。)

自然に順応し共存していくことは、まさに日本人の暮らしそのものであり、大切にしたい”美しい暮らし“でもあると強く実感しました。

 

皆さまも、ぜひ”美しい暮らし”を心がけてみてはいかがでしょうか。 きっとその暮らしの先には、自然も私たちの心も美しい旋律を奏でる平和な世界があるのと信じ・・・♪

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

«補足:ご紹介までに・・・»

四季折々の天川の風景。

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 SONY DSCSONY DSC降り注ぐ雪に包まれ・・・また異空間な雰囲気です。

利き酒と聞香

いつもご覧いただきありがとうございます。

日本のことをあらためていろいろと知り、学ばせていただきたいという一心で、時間をつくっては様々な勉強会やお稽古に通っていす。そのなかで、偶然にもこの週末は、日本酒の勉強会と香道のお稽古が立て続けにあり、その流れでふと気づいたことがありました。

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■そもそも・・・日本酒を学ぼうと思ったきっかけは、日本酒好きということもあるのですが、それ以上に興味があったのは、なぜ・・・神社や神棚に日本酒もお供えするのかという素朴な疑問がかねてからありました。

そんな折、前に宮司様にどうして日本酒をお供えするのですか?という憚らしい質問をした際、そのお答えになるほど!そういうことなんだ!!と納得し、それからは日本酒の見方もかわり、味わいもそうですが、その作る過程も含めてもっと知りたい!!そんな探求心がきっかけでした。 (ここでは、献上の理由は割愛させていただきます)

そんな想いで、日本酒を一から学ばせていただける勉強会に参加させていただいておりましたが、昨日は最終回ということで、「利き酒」をクラスみんなで挑戦しました。

利き酒マスターの養成コースも巷にはあるみたいですが、このクラスでは「日本酒」の製造方法や、歴史なども含めて・・・教えていただき、「利き酒」は一つの体験として・・と。無論、私自身は日本酒が好きですが、そこまでいろんな銘柄を呑んだり、呑み比べたりしたこともなく・・・この「利き酒」というのはまさに新しい体験でした。

今回は、5種類の日本酒の味比べ・・・。

クラスメートの方のほとんどの方も初めてだったみたいで・・・、「う~~ん、どれも同じ感じがしてしまい決められない!!」「これと同じのなんてあるの・・?」なんて声がちらつくほど。かくいう私も、無色透明で同じような香り・・・で一瞬違いがわからなくなってしまったのですが、目をつむり、香をかぎ、口のなかで広がる味わに全神経を集中すると・・・・5種類のお酒が描きだす世界がそれぞれに違うことにはたと気づき。

 

それぞれ感じえた香り、色、味わいを一つ一つメモしながら、一巡すると・・・・あれよあれよと・・・合点するものがわかり・・・、点と点をきちんと結ぶことができましたが、感覚を頼りに決めたので・・・あまり正解にこだわらず、すぐに回答。
初めてだし間違って当たり前!!なんて腹をくくり、あとは美味しいお酒をぐびぐび呑んでました。

某蔵元がもってきていただいた美味しいお酒に心身ともに酔いしれ、宴もたけなわになった頃、忘れかけてた利き酒の結果が発表に・・・・・!!

 

なんと私は5点中満点!と、すべてをあてることができたとのこと。 発表されて、本当に自分なの!?と疑ってしまったのですが・・・戻ってきた自分の解答用紙をみて、我冷静に「あぁなるほど!」と気づくことがありました。

 

利き酒は、まるで組香に近しい!

 

■それは、香りを「聞く」ということ。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、日本では「香りを聞く」という表現があります。

意味としては、その香りの世界を感じえること。つまり、香りを通じてどういう世界のなかで生育してきたのか、などを聞くということ。

目に見えない香り、もちろん、音をだすこともない幽玄的な香りに耳をかたむけて聞く。 なんともみやびな表現ですよね。

 

■香道の席で行われる「組香(くみこう)」は、何種類かの香りを組み合わせてその香木の香りを聞き当てます。 組香には季節に応じたテーマが設定され、それにちなんだ香銘の香木が使われたりします。

呼吸を整え、一つ一つの香木の香りに耳を傾けるかのように香りを聞く。

 だいたい一回の香炉で3呼吸ほどといわれますが、その少ないときのなかで、香りが拡がる悠久な世界を堪能でき、非日常的な世界へと心を誘ってくれます。

 その時は、ただただ・・・・鼻に全神経を集中して、目に見えないその香りの世界を心の中で描きます。

 

それは、その時のお題に即した香りの世界であったり・・・、その一片の香木が悠久の時を経て今香っているそれまでの世界など・・・、感じうける光景はいつも違います。

 

■利き酒と聞く香りに

利き酒はまだまだ体験した身でしかないのですが、その時に感じえたものはまるで一片の香木を聞いているかのようでした。

日本酒の勉強会をつうじて知ったのは、各々の蔵元が丹精をこめてつくった日本酒には、原料米の精米歩合種類、麹へのこだわり方や、そしてその土地に流れる「水」や土地の風土、造り手の技術等、様々な要因が一つの結晶となり、味のうまみを輝かせてくれます。

それは、まさに香を聞くのと同じように思いました。

 

■「聞く」ことで世界が広がる♪

寒さもひとしお身にしみるころになり、年の瀬がちかくなるので忘年会など酒をかわす機会がふえてくるかと思います。

盃を交しながらも、そのいっぱいにこめられた味の世界に心を誘ってみてください♪

そこはきっとはてとなくひろがる世界が広がり、想像力をかきたててくれ・・・、新しい年をむかえるヒントがみえてくるかも・・!?

 

そんなことを思う今日一日でした。

 

 

よき薫物たきて、一人臥したる~寒露の日に思ふ~

秋晴れの気持ちよ良い天気に恵まれ、あたりの空気も澄み切っております。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

寒露1
今日から、二十四節気では[寒露(かんろ)]に入りました。 ちょうど秋分から15日あとになり、[秋分]は秋のど真ん中だったのに対し、[寒露]からは晩秋となります。 
草の葉に宿る露が冷たくなり、いよいよ空気がひんやりとし始め、秋の深まりを感じられてるかと思います。

そして、今宵はなんと「満月」の日でもあり、そして・・・3年ぶりとなる『皆既月食』が見られる日。寒露にはいり、空も高くなり、空気には透明感が感じられる気持ちの良い季節となったいま、こうして宇宙の天体ショーもみられるとなるスペシャルな日! 

平日の夜なので、お仕事されている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ぜひ今夜は早めに仕事を切り上げて・・・、夜空を見上げながら月夜を楽しみ、そして特別な時間をお過ごしください。

※参考までに・・・皆既月食は19:25からはじまり、20:25に終わるそうです。 皆既月食についての詳細は、[自然化学研究機構 国立天文台]のサイトをご覧ください。 (クリックすると、外部サイトが立ち上がります)

 

さて、先日のブログでもご紹介させていただきましたように、今月は「お香」について少しずつご紹介させていただきたいと思っております。

 

時代を越えて受け継がれてきた香のかたち

 

「お香」というと・・・多くの方が”線香”のようなスティックタイプのものを想起する方が多くいらっしゃるかと思います。 しかし、実際は総称してお香と言っているところもあり、日本の香の歴史を辿っていくと、実に様々な香の種類がございます。

例えば、香木をそのまま焚いて香りを聞いてみたり、粉末にした香料をはちみつや梅肉などを加えて練って固めた練香や、Juttoku.でもご案内している、香料を形に押し固めた印香など。その他にも、匂い袋や文香、掛け香など・・・・。

私たちがよく目にするスティックタイプの香というのは、長い歴史をたどると実は近世より(※1)になり、香木が漂着したといわれる595年から、雅な香文化が栄えた平安時代などでは、薫物として練香などを使っていました。

 

ただ、形態が異なれども、「香りを愛で、香りを楽しむ」という本質的な部分は、時代が変われども、その時ごとに人々の暮らしを彩ってきたのは間違いありません。

 

香の楽しみ方

そんな長い歴史を越えてもなお私たちの暮らしに彩りを与えてくれるお香。 どういう時にお香を使えばいいのですか?というご質問も時々いただくのですが、香の楽しみ方は人それぞれであります。

・リラックスして、心を落ち着かせたい時や
・仕事や勉強などの集中して取り組みたい時、
・おもてなしとして、お客様をいい香りでお迎えしたい時、
・気分を変えたい時

長い日本の歴史の中でも、使い方は様々です。 平安時代は、「香でしつらえる」というように部屋を香で焚き染め、お客様をお迎えしたり、戦国時代の武将などは、戦い前に心を落ち着かせ、精神を集中するために香(香木)を焚いたり・・・!

平安貴族女性

 

また、枕草子の下記の一節からは、清少納言を通じて当時の女性の心が垣間見えます。

 

 「心ときめきするもの
雀の子飼。ちご遊ばする所の前わたる。よき薫物たきて、一人臥したる。唐鏡(からかがみ)の少し暗き見たる。よき男の、車とどめて、案内し問はせたる。
頭洗ひ、化粧じて、香ばしうしみたる衣など着たる。殊に見る人なき所にても、心のうちは、なほいとをかし。待つ人などある夜、雨の音、風の吹きゆるがすも、ふと驚かる。」 (『枕草子』より)

 

[現代語訳]
心をどきどきとさせるもの
雀の子を飼うこと。赤ん坊を遊ばせている所の前を通る。高級な薫物を焚いて、一人で横になっている時。中国製の鏡の少し暗くなっているところを覗き込んだ時。高貴そうな男が、家の前に車を止めて、使いの者に何かを聞かせにやった時。
髪を洗って化粧をして、しっかりと良い香りが焚き染められてついた着物を着た時。その時には特別に見ている人がいない所でも、心がとても浮き立って楽しくなる。約束した男を待っている夜、雨の音や風が建物を揺らがすような音さえも、もう男が来たのだろうかと思って(驚き嬉しくて)胸がドキドキするものである。

 

きっと当時の女性も、宮中での仕事が終わった夜などは重い着物を脱ぎ、リラックスした状態で、香を焚き、心地よい良い香りのなかでゴロゴロしていたのかなと・・・・! それが、とても心が落ち着き、そして、心をときめかしてくれるひと時であったのでしょうね・・・・♪

 

このように、時代により状況下は違えども本質的な香の楽しみ方は、今でも同じだなぁといつも思います。

 

 

 

主知らぬ 香こそ匂へれ 
秋の野に 誰か脱ぎかけし  藤袴ぞも  
(『古今和歌集』  素性法師 巻四・二四一 秋歌上)

[誰が用いているのかわからにけれど、素晴らしい香りが香っていることだ。この秋の野に誰が脱ぎかけた藤袴なのか。]

次回は、日本の香の歴史も織り交ぜながら、お香の利用シーンについてもう少し詳しくご紹介させていただければと思います。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

今夜は、素敵な満月の夜をお過ごしください♪